星河の覇皇
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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その十三
「これまでの戦争指揮、サマルカンド星系での災害への指揮で」
「極秘にサマルカンドに戻られ」
「そちらにあたっておられた」
「戦争指揮も行ないつつ」
「それでは激務ですね」
「その激務によってです」
まさにというのだ。
「過労となられ」
「過労ですか」
「そこから倒れた」
「そうですか」
「はい、そう思います」
八条としてはだ。
「私は。しかもただの過労ではなく」
「倒れられただけでなく」
「さらにですか」
「病を得られた」
「そうなのですか」
「風邪、それもです」
さらにというのだ。
「インフルエンザにです」
「あの病気ですか」
「確かにあの病気になりますと」
「動けないですね」
「暫くは」
「五日の間は安静にしなければ」
八条はインフルエンザについても話した、この時代でもこの病気は多くしかも厄介なものであるのだ。
「ならないですね」
「丁度五日ですね」
「戦局が動いたのは」
「そう考えますと」
「シャイターン主席は無理をし過ぎた」
「そうだというのですね」
「はい、過労はです」
これはというと。
「只でさえ万病の源です」
「それで、ですね」
「その過労によってインフルエンザになられ」
「そしてですね」
「戦局にもですね」
「影響しました、独裁国家はです」
ティムールをそうした国家としての言葉だが八条のこの言葉は間違っていなかった、実際にティムールはそうした色彩の強い国家であるからだ。
「優秀な国家元首が国を動かしますので」
「その国家元首が健在ならですね」
「非常に順調に進みますね」
「政治も経済も」
「そして軍事も」
「はい、ですが」
それでもとだ、八条はさらに話した。
「若しもです」
「国家元首に何かあると」
「その時は、ですね」
「国が動かなくなりますね」
「そうなりますね」
「そうです、国家元首に権限が集中していて」
そしてというのだ。
「決裁のかなりのものも国家元首が行います」
「そして軍事もですね」
「今のティムールはシャイターン主席が戦場でも指揮します」
「そうした国家だからですね」
「シャイターン主席が不在ですと」
「それだけで大きな支障を来たします」
そうなるというのだ。
「今の様に」
「ティムール軍全体で奮戦はしていますが」
「シャイターン主席の穴を何とか埋めようと」
「ですがアッディーン大統領相手にそれは出来ず」
「今の様になっていますね」
「そうです、独裁国家の難点です」
まさにというのだ。
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