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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その六

「しかしです」
「そこに、ですね」
「潜水艦も加える」
「そうしますね」
「そうです、そうして敵軍により打撃を与えます」
 強力なそれをというのだ。
「そうしていきます」
「これからは、ですね」
「そうした見えない戦力も使い」
「戦争に勝っていきますね」
「その様にしていきますね」
「オムダーマン軍は画期的な兵器を生み出しました」
 八条はこのことは素直に称賛した。
 だがそれと共にだ、こうも言うのだった。
「しかし人の考えは似ているものです」
「所詮同じ人間ですね」
「似ていて当然ですね」
「その発想にしてもレベルにしても」
「左様ですね」
「そうです、かつての人種論ではです」
 八条は十九世紀から二十世紀に存在した所謂白人至上主義に基づいたその考えも出してそのうえで話をした。
「産業革命以降の科学技術を使えるのは白人だけだと考え」
「有色人種には使えない」
「そう考えていましたね」
「かつてのエウロパは」
「はい、ですがその考えはです」
 どうだったかというのだ。
「間違いでした」
「同じ人間でしたね」
「白人も黄色人も黒人も」
「そうです、そもそもその白人はです」
 八条はその白人至上主義の根拠のなさも話した。
「知能指数ではどうだったか」
「黄色人種より下でしたね」
「むしろ」
「そしてどの人種、国籍でもです」
「民族でも宗教でもでしたね」
「知能指数は訓練次第で上がり」
「運動能力もでした」
 このことが口々に語られた。
「そして有色人種も産業革命以降の技術を身に着け」
「やがて白人国家つまりエウロパ各国を凌駕しましたね」
「そして今に至ります」
「そう考えますと」
「人種論は何でもありません」
 全く意味のない説だとだ、八条は看破した。
「人間は結局大差ありません」
「人種や国家、民族、宗教、文明に関係なく」
「大差ないですね」
「所詮は」
「混血している我々と純血のエウロパでも」
 八条は連合特有の混血論も話した、人種は混血してこそそれぞれの長所を発揮していくという考えだ。
「結局はです」
「能力は変わらないですね」
「そもそも」
「だから技術的な差は、ですね」
「覆せますし」
「そして発想もです」
 これもというのだ。
「やはりです」
「大して変わらない」
「そうなのですね」
「それで、ですね」
「オムダーマンは潜水艦を実用化し」
「我々も」
「じきにです」
 八条はさらに話した。
「マウリア軍も開発し」
「エウロパ軍もですね」
「彼等もですね」
「開発して、ですね」
「実用化してきますか」
「それは時間の問題でしょう」
 確実にそうしてくるというのだ。 
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