八条学園騒動記
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第六百九十六話 肉だから合うその二
「もうね」
「ワインが入ってから」
「そういえば焼肉も」
ベンはこの料理自体の話もした。
「実は結構新しいらしいよ」
「そうなの」
「何か二十世紀位にね」
「韓国が独立してから?」
「どうも日本の統治時代に」
この頃にというのだ。
「出たらしいよ」
「そうだったの」
「だから昔はね」
それ以前はというのだ。
「なかったらしいね」
「じゃあワインと」
「大体ね」
「同じ時期なのね」
「そうみたいだね」
「そういえば」
ケイトはここでこんなことを言った。
「昔の韓国料理って辛くなかったのよね」
「唐辛子自体がなくてね」
「そうよね」
「唐辛子と大蒜が韓国料理だけれど」
「もう必須で」
「僕達もキムチ買ったけれど」
焼肉そして冷麺の添えものと上に乗せるトッピングとしてである、白菜のキムチも買っておいたのだ。
「これもね」
「昔はなの」
「唐辛子を使ってなくて」
「辛くなかったのね」
「韓国の宮廷料理もね」
李氏朝鮮の頃のそれはというのだ。
「別にね」
「辛くなかったのね」
「そうだしね」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「韓国料理が辛くなったのも」
「比較的新しいの」
「唐辛子が入ってからだから」
あくまでとだ、ベンは話した。
「昔の韓国料理はね」
「全く違ったのね」
「そうだよ」
「成程ね」
ケイトは兄の言葉を聞いて納得して頷いた。
「昔からじゃないのね」
「まあ千年以上昔の話だから」
「昔と言ったらなの」
「昔になるね」
「連合建国以前からだし」
「それでエウロパ戦役でイギリスの大学のお庭で焼肉して」
この戦争の時のことも話した。
「キムチ出したらその匂いにね」
「イギリス人が驚いたのね」
「そうしたお話もあるよ」
「そうなのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「向こうの人は焼肉とバーベキューの違いがね」
「わからないのね」
「そうだったみたいだよ」
「まあ違いはね」
ケイトも言われるとだった。
「あまりね」
「ないかもだね」
「私もそう思うけれど」
「まあそうかもね」
ベンも否定しなかった。
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