恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十九話 群雄、戦を終わらせるのことその十
弓を構えながらだ。他の四人に言ったのである。
「私が気を放つわ」
「弓矢ではなくか」
「ええ、気よ」
放つのはそれだとだ。関羽に応える。
「それもね」
「何っ、紫苑それは」
「まさか!?」
「私の切り札よ」
何とだ。分身してみせたのだ。黄忠は五人になっていた。
その分身の術からだ。四人に話すのだった。
「これでね。この女をね」
「倒すか」
「そうするのか」
「後ろは任せて」
後ろからの援護、それはだというのだ。
「だから皆もまた」
「わかった。それではだ」
「あたし達もやる!」
趙雲と馬超もだ。遂にだ。
その潜在能力まで出してだ。そしてだった。
身構えつつだ。分身してみせた。二人もできたのだった。
「忍術というのか、これは」
「やってみると難しいけれど何とかなるな」
「うむ、そして一人よりもだ」
「ずっと強いからな」
ならばだというのだ。
「この女も倒せる」
「絶対にな!」
「愛紗!鈴々達もなのだ!」
張飛も関羽に言う。
「分身をするのだ!」
「できるか、しかし」
「できない筈がないのだ。鈴々達も全ての力を出せば」
そうすればだというのだ。
「絶対に出来るのだ」
「言うよりまずはだな」
「やってみるのだ!」
「よし、わかった!」
関羽もだ。張飛の言葉に頷きだ。
二人で構えたままだ。その全身の力を出した。
するとだ。彼女達もだった。
身体が分かれた。そのうえで言うのだった。
「この力でだ」
「司馬尉!必ず倒すのだ!」
「いいか、私達全員で一度に攻める」
関羽は四人の仲間に話す。そのそれぞれの口で。
「そして渾身の一撃を浴びせてだ」
「司馬尉を倒す」
「そうするか」
趙雲も馬超も応える。そうしてだった。
分身した五人はそれぞれだった。攻撃に入った。黄忠が弓を放ちだ。
四人は突進してだ。乱舞を仕掛けた。
それぞれの得物を縦横に振るい司馬尉を撃たんとする。その五人にだ。
やはり邪気を縦横に放つ司馬尉だった。しかしだ。
その気は今度は当たらない。分身はどれも透ける。
「くっ、私の邪気が!?」
「本物は一つなのだ!」
攻撃を仕掛けながらだ。張飛が叫ぶ。
「その本物が倒れない限りなのだ!」
「私達は倒れん!」
関羽もだ。それぞれの分身で司馬尉に攻撃を浴びせつつ言う。
「司馬尉!今度こそだ!」
「鈴々達の勝ちなのだ!」
こう叫んでだった。五人はだ。
その全てを出した攻撃を司馬尉にぶつけた。そして。
五人同時にだ。それぞれの得物にだ。
これ以上にない気を込めた。それぞれの色のだ。
その気をだ。司馬尉にだった。
ぶつけた。全て。するとだった。
司馬尉の周りを爆発が包んだ。そしてそれが消えた時にだ。
戦場に立っているのは五人だけだった。既に分身は全て消えていた。
だがそれでもだ。関羽は前を見据えて構えていた。そのうえでだ。
こうだ。言ったのだった。
「司馬尉、何処にいる」
「流石に今ので終わったと思うがな」
「しかしまだ姿はあるな」
馬超に趙雲もだ。そのことを問う。
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