恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十九話 群雄、戦を終わらせるのことその九
自信に満ちた笑みだ。四方八方に邪気を放ち続けていた。
邪気は地面に炸裂すれば爆発を起こしだ。黒い瘴気を起こす。それもまた五人にとっては脅威だった。
その脅威を避けながらだ。二人は言うのだった。
「こっちもかなり攻撃浴びせてるんだけれどな」
「何ともない様子なのだ」
「一体どうやったらこいつは倒れるんだ?」
「不死身なのだ?ひょっとして」
「いや、不死身ではないな」
疑念さえ抱きだした二人にだ。趙雲が答える。
「そこまではいかない」
「そうなのか。不死身ではないんだな」
「それはないのだ」
「その証拠に我等の攻撃を受けてだ」
五人も攻撃を仕掛けているのだ。弓にしろその得物を振って出す衝撃波や気にしてもだ。
司馬尉を確実に撃っていた。それを見てだ。
趙雲はだ。司馬尉が不死身ではないというのは間違いないというのだった。
「奴も死ぬ。不死ではないからな」
「そうか。じゃあこのまま攻めていけば」
「何時かは絶対になのだ」
「そうよ。私は不死身ではないわ」
司馬尉自身もだ。このことを認めるのだった。
「決してね。死ぬことは死ぬわ」
「殷の頃もそうだったわね」
黄忠はその頃の司馬尉のことを指摘した。弓を構えたまま。
「貴女は死んだわね」
「ええ、太公望にやられたわ」
まさにその通りだとだ。司馬尉自身もそのことを認める。
その間も五人に向けて攻撃を放つ。それをかわしながらだ。黄忠は話す。
「その時私は一度死んでるのよ」
「しかし司馬氏に力を授けか」
「私の魂は九つあるのよ」
今度はこのことを関羽に話す司馬尉だった。
「そのうちの一つを乗り移らせたのよ。けれどね」
「しかしか」
「その魂もこれで最後」
残る一つだというのだ。
「あまりにもやられ過ぎたわ」
「太公望にだけやられたんじゃないのかよ」
「ええ、項羽にもやられたし」
あの西楚の覇王、彼女にもだというのだ。
「漢の高祖にも光武帝にもね。衛青にも倒されたことがあるわ」
「英傑ばかりなのだ」
その話を聞いてだ。張飛は言った。
「じゃあ御前はこれまで散々悪いことをしてその度にだったのだ」
「そうよ。倒されてきたわ」
まさにだ。そうなってきたというのだ。
「黄帝、老子、夏の初代王にも」
「では御主はやはり古からか」
「そうよ。この世を乱そうとしてきたけれどね」
だがこれまではだというのだ。
「適わないでいたわ。けれど今度こそは」
紅に輝く目でだ。言うのだった。
「この世界を破壊と混沌で」
「生憎だがそうはさせん」
関羽はその得物を構えて司馬尉に返す。
「貴様はここで死ぬ」
「そうなのだ。絶対にやっつけるのだ」
張飛もだ。蛇矛を構えなおす。
「御前はここで死ぬのだ」
「けれど貴女達にこの私が倒せるからしら」
司馬尉の余裕は変わらない。
「果たしてね」
「倒してみせよう」
趙雲が司馬尉に槍を向けた。
「我等五人の渾身の技でだ」
「ああ、行くぜ!」
馬超も構えなおす。
「今度こそ倒すからな!」
「いいわね、皆」
黄忠の目も死んでいない。その目でだ。
ページ上へ戻る