恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十九話 群雄、戦を終わらせるのことその八
「やってくれたわね」
「この私達にここまでしてくれるなんて」
「くっ、まだ生きているのか」
「何ちゅうしぶとい奴等や」
それを聞いてだ。楽進と李典はだ。
唖然としながらもだ。また闘志を燃やして言う。
「ならばまただ」
「倒すまでやな」
「安心していいわ。私達はもうね」
「戦う力どころか」
「命も尽きたわ」
「あんた達の攻撃でね」
そうなっているとだ。姉妹は言うのだった。
そしてだった。姉妹は満身創痍の中でだ。戦士達に言った。
「この世界を闇の世界にするという私達の望み」
「それは適えられそうにもないわね」
「私達が倒される程の相手」
「なら姉様も」
「そこまでわかるとはな」
周瑜は死を前にしても衰えていない二人の洞察にだ。感嘆さえ覚えた。
そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「やはり恐ろしい者達だな」
「けれど。もうこれでね」
「私達は終わりよ」
敗北は認める二人だった。
「ここまで傷を受ければ最早」
「生きられるものではないわ」
「この戦いは貴女達の勝利よ」
「そのことを認めてあげる」
「なら安心して死ぬの」
于禁は少しむくれた顔で姉妹に告げた。
「沙和はもう戦いなんて嫌なの。女の子らしく生きたいの」
「そうだ、この世を破壊と混沌で覆うなぞだ」
「絶対に許さないだから」
魏延と馬岱も姉妹に言う。
「だからだ。そのままだ」
「安心して死んで」
「何なら介錯はするわ」
「最後の情けでね」
紀霊と楽就が前に出ようとする。しかしだった。
姉妹はその彼女達にだ。毅然として言った。
「安心していいわ。その必要はないから」
「私達は今死ぬから」
介錯の必要すらない、そうだというのだ。
「このまま二人でね」
「死なせてもらうわ」
「そうですか。それでは」
呂蒙も介錯に動こうとした。しかしだ。
二人の言葉を受けて動きを止めた。そしてそのまま二人を見届けることにしたのだ。
その二人はだ。互いに寄り添いながらだ。その身体を消していき。
そのうえでだ。お互いをいとしげに見合いつつ最後にこう言った。
「また生まれても」
「はい、その時もまた」
「私達はね」
「一緒です」
こう言い合い姿を消す二人だった。こうしてだ。
司馬師と司馬昭は完全に消えた。これでまた一つの戦いが終わった。
そこにだ。猛獲達が来てだ。こう厳顔達に言ってきた。
「あの白い奴等も全員倒したにゃ」
「もう一人も残ってないにゃ」
「じゃあ後はどうするにゃ?」
「他の場所で戦うにゃ?」
「そうだな。ここには舞台を護る者達を置きだ」
そうしてだとだ。周瑜は猛獲達の言葉を受けたうえで述べた。
「主な者達は敵の本陣に向かう」
「わかった。しかしじゃ」
「しかし。何だ」
「まさかあそこであの三人を繰り出してくるとはのう」
厳顔は楽しげな笑みになってだ。こう周瑜に話すのだった。
「それは考えんかったがのう」
「策だ。内密にしていたのはだ」
「敵を欺くにはじゃな」
「そうだ。隠していたのは悪かったがな」
「よい。そのお陰で勝てた」
二人は微笑みを浮かべながら話す。
「流石は孫家の軍師じゃ。ではこれからもじゃ」
「こちらもだ。これからもだ」
「宜しく頼むぞ」
「末永くな」
笑みを浮かべ合いだ。戦友達は話した。そしてそのうえで最後の戦いに向かうのだった。
司馬尉はだ。五虎に囲まれながらも彼女達と互角に戦っていた。その死闘の中でだ。
馬超は司馬尉、縦横無尽に妖術を繰り出す彼女を見てだ。こう言うのだった。
「ったくよ。どれだけ攻めてもよ」
「全く動じないのだ」
張飛もだ。忌々しげに応える。
二人も他の者達も身構えたまま司馬尉を囲んでいる。しかしだ。
司馬尉は囲まれながらも仁王立ちをしている。そのうえでだ。
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