恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十八話 草薙、オロチを封じるのことその十
そしてそのうえでだ。クリスをだ。
紅蓮の炎で焼き吹き飛ばしてだ。左手を掲げて言った。
「俺の・・・・・・勝ちだ!」
彼もまた勝利を宣言した。戦いはだ。
完全にだ。草薙達の勝利だった。そのうえでだ。
草薙はこうだ。倒れているオロチ達に尋ねた。
「で、オロチは何処だ?」
「まさかここまで来て今回は出ないとか言うんじゃないだろうな」
「それはないな」
「安心しな。これまでの戦いで力は十分に蓄えられたさ」
社がだ。仰向けに倒れ伏しながらも顔だけをあげて三人に応えた。
「だからな。オロチはな」
「復活するってか」
「この世界でもまた」
「そうさ。しかしそのオロチはな」
「僕じゃないよ」
社だけでなくクリスもだ。倒れながらも二階堂と大門に告げてきた。
「俺達の中で最強のあいつがな」
「今度のオロチだよ」
「さて、どうかしら」
シェルミーもだ。倒れながらも声は死んでいなかった。
そのまだ生きている声でだ。倒れながらも告げてきていた。
「彼のオロチに勝てるかしら」
「例えどんなオロチでもな」
草薙がその彼等に言葉を返す。
「俺達は負けない、倒してみせる」
「そうかい、じゃあ頑張りな」
「精々ね。そしてね」
「真の切望を味わうといいわ」
こう捨て台詞めいたものを残してだ。オロチ四天王のうち三人もだ。
事切れ姿を消した。その彼等を見届けてからだ。
二階堂と大門はだ。こう草薙に告げたのだった。
「後はな」
「御主達の戦いになる」
「ああ、わかってるさ」
それはもう既にわかっているとだ。草薙も二人に答える。
そしてそのうえでだ。彼はこう言うのだった。
「じゃあな。オロチとは最後の最後の戦いになるな」
「そうだな。こっちの世界でな」
「完全に決着がつく」
「これで因果は終わらせるぜ」
確かな顔でだ。草薙はまた言った。
「何もかもな」
「じゃあな。俺達は別の戦場に行くがな」
「後は任せた」
「ああ、じゃあやるか」
草薙が言うとだ。彼の後ろにだ。
神楽と八神が来た。その二人がだ。
それぞれだ。彼に言ってきたのだった。
「では。行くわよ」
「オロチを倒す」
「ああ、それじゃあ行くか」
そのオロチのところにだ。三人で行こうとした。しかしだ。
その彼等の前にだ。今だった。
前から悠然とだ。嵐を起こしつつだ。彼が来たのだった。
その彼を見てだ。草薙が鋭い顔になりそのうえで笑みを浮かべて言った。
「向こうから来てくれたな」
「好都合だ」
そのことにだ。八神はこう言った。
「こちらから出向く手間が省けた」
「そうなるか」
「ならばだ」
八神はその彼を見ながらさらに言う。
「殺してやろう。すぐ楽にしてやる」
「いいわね、二人共」
神楽もだ。その草薙と八神に告げる。
「ここで私達の。二千年の戦いが」
「ああ、終わるな」
「下らん因果が」
「そうよ。ではね」
あらためて言う神楽だった。彼女は自然に身構えていた。
草薙も八神もだ。それぞれ身構えてだった。
そのうえで最後の戦いを迎えていた。今最強最後のオロチが姿を現したのだった。
第百三十八話 完
2012・1・16
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