恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十八話 草薙、オロチを封じるのことその八
技を終えてだ。そのうえで言ったのだった。
「これで全てだ」
「終わったな」
「貴殿の敵討ちがな」
「そうだ、全て終わった」
深い感慨と共にだ。彼は言うのだった。
「何もかもがだ。ではだ」
「うむ、この世界での戦いはまだ続いている」
「それはな」
「ならだ。最後の戦いをだ」
「また行こう」
タクマと柴舟はこう二人に述べた。そしてだった。
ハイデルンも二人の仲間にだ。確かな声で返したのだった。
「ではだ。この戦いを終わらせる為にだ」
「さらに戦おう」
「もう少しだけな」
ルガールとの戦いは終わった。そのことを実感しながらだ。
彼等はさらに戦うのだった。この世界での戦いを。
八神は遂にだ。身体を屈めさせ己の頭上で両手を交差させてだ。
そのうえでだ。こう叫んだのだった。
「遊びは終わりだ!」
こう叫びだ。マチュアに突き進みだ。
その爪、拳を幾度も繰り出してだ。そこからだ。
マチュアを掴み取りだ。最後にだ。
青い炎を放ちだ。爆発させたのだった。
マチュアはその攻撃を受けて吹き飛んだ。これで勝敗は決した。
そして神楽もだ。バイスにだ。
分身する様にして攻撃を放ちだ。至近で光を放って吹き飛ばしていた。二人はオロチ達を退けていた。
八神は倒れているマチュアを見下ろしてだ。彼女に問うた。
「さて、それではだ」
「見事ね。その技を繰り出すなんて」
「八神の拳は人を殺す為のものだ」
そのだ。殺す目でマチュアを見下ろしての言葉だった。
「そしてそれはだ」
「私達オロチに対しても」
「そういうことだ。ではだ」
その左手に青い炎を宿らせてだ。八神はまたマチュアに言った。
「止めをやろう。死ね」
「その必要はないわ」
しかしだった。マチュアはだ。
不敵に笑いそのうえでだ。こう八神に言ってきたのだった。
うつ伏せに倒れ顔を上げて八神を見ている。そのうえでの言葉だった。
「私は間も無く死ぬから」
「だからだというのか」
「ええ、ただね」
「ただ。何だ」
「オロチに勝てるかしら」
不敵な笑みだった。死を前にしても。
「今度のオロチにはそう簡単には勝てないわよ」
「そう言うのか」
「ええ、それじゃあね」
その言葉を遺言にしてだった。マチュアは。
頭を下ろすとだ。そのままだ。
姿を消した。やはり霧の様に消え去った。
神楽もバイスが消えるのを見届けた。そのうえでだ。
八神に顔を向けてだ。彼にこう告げた。
「わかってると思うけれど」
「戦いはだな」
「ええ、まだ一つ残っているわ」
「奴とだな」
「今度こそ。完全にね」
神楽は確かな声で八神に告げる。
「オロチを封印するわ」
「そして未来永劫二度とか」
「この世には出させないわ」
こう八神に話すのだった。
「そうするわよ」
「それは封じるのではないな」
神楽の言葉からだ。八神は。
そのことを察してだ。こう言ったのだった。
「倒すか」
「そうなるわ。完全にね」
「わかった。それではだ」
「貴方も協力してくれるわね」
「俺は誰とも手を組まん」
ここでも八神は八神だった。彼から見れば群れることはしないというのだ。
だがそれでもだ。彼は言った。
「だがだ。オロチはだ」
「倒すというのね」
「俺を利用しようとする奴は神であろうと殺す」
倒すではなかった。ここでは。
「そうするだけだ」
「そういうことなのね」
「八神の血脈なぞどうでもいい」
八神にはだ。それもそうなることだった。
ページ上へ戻る