ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十四話 自衛隊の後はその二
「終わりよね」
「そうよね」
「もう育成のノウハウなくしてね」
「選手育たないし」
「頼みの補強も人来なくなって」
「設備にもお金かけてないから」
「まさにカスよね」
今の巨人はというのだ。
「何もいいところがない」
「怪我人多いしね」
「練習滅茶苦茶少ないらしいし」
「采配もしょぼくて」
「やる気もない」
「完全なカスチームよね」
「弱過ぎて笑える位の」
一華は実際笑って話した。
「カスよね」
「昨日横浜に五点差で負けたけれど」
「三試合振りに一点入れてね」
「五点で抑えたって言われてるわね」
「それでいいっていうから」
「もうプロじゃないわね」
「いやあ、巨人が弱いとね」
一華は笑ったままこうも言った。
「何か世の中いいのよね」
「そうよね」
「皆巨人負けるの見て元気出るからね」
「それで頑張ってね」
「勉強もよくなって」
「景気もそうなってね」
「日本が元気なら」
それならというのだ。
「日本ってやっぱり世界への影響大きいからね」
「その日本が元気だとね」
「他の国も引っ張られてね」
「元気になるのよね」
「やっぱり世界を引っ張る国が元気だとね」
「世界にもいいのよね」
「だから巨人が弱いと」
邪悪の権化であるこのチームがというのだ。
「世界にとっていいことなのよ」
「そうそう」
「まさにその通りよね」
「巨人が負けるとご飯が美味しい」
「それで皆元気が出る」
「巨人は負けてこそナンボ」
「このまま弱い巨人でいて欲しいわ」
一華はこのことを心から思った、そうしてカープの旗を見ながら同級生達にこんなことも言ったのだった。
「それでカープはね」
「頑張って欲しいわよね」
「阪神ファンとしても」
「優勝は渡さないけれど」
「それでもね」
「あれだけ赤貧とか言われて」
お金がないことを揶揄されてというのだ。
「それで巨人にね」
「散々選手掠め取られてね」
「FAで」
「折角選手育てても」
「そうなってきてね」
「苦労してきたから」
だからだというのだ。
「何か出来た時も大変だったっていうし」
「何か存続の危機迎えて」
「広島の人達が樽募金したのよね」
「それで何とか存続させたけれど」
「ずっと低迷していて」
「中々優勝出来なかったのよね」
「巨人ばかり強くて」
二リーグ制発足から忌まわしき九連覇までだ、戦後日本は巨人という悪徳が蔓延っていたのである。
「カープはいい選手も獲得出来なくて」
「注目してるのは広島の人達だけで」
「皆振り向かなくてね」
「何かっていうと巨人で」
「巨人軍大鵬卵焼き」
「卵焼きはいいわよ」
実際に一華の好物なのでこう言った。
ページ上へ戻る