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第七十四話 自衛隊の後はその一
第七十四話 自衛隊の後は
海上自衛隊幹部候補生学校の見学を終えた、一華達はそこからバスで自分達が今寝泊りしているホテルに戻ったが。
その途中海に漁船達を見たがそのうちの一隻にだった。
「カープの旗よね」
「あのエッチのアルファベットの大文字は」
「マスコットの旗もあるし」
「あれってそうよね」
「ここ広島県だしね」
それでとだ、一華もその船を見て述べた。
「それじゃあね」
「カープの本拠地で」
「皆カープファンなのよね」
「それこそ」
「うちの学校だってね」
一華は自分と同じバレー部の一年生の面々に話した。
「広島からの人って」
「大抵広島ファンだからね」
「あと最近全国区になってるのよね」
「阪神ファンと同じで」
「そうでね」
それでというのだ。
「ここはね」
「そうよね」
「何と言ってもよね」
「カープの本拠地で」
「広島ファンの人ばかりね」
「だから漁船でも」
それに乗っている漁師の人もというのだ。
「まさにね」
「カープファンね」
「それで旗も掲げてるのね」
「ああして」
「そうでしょうね、確かにね」
一華は否定しない声で言った。
「カープっていいチームなのよね」
「地道に頑張ってね」
「努力していてね」
「補強に訴えず育成で強くなる」
「そうしたチームでね」
「まあ補強と育成両方やってね」
そうであってこそというのだ。
「本当に強くなるけれど」
「そうよね」
「その両方を熱心にかつ的確にやっていくと」
「本当に強くなるわね」
「そうなるわね」
「けれどカープはどうしてもね」
一華はこのチームの問題点の話もした。
「お金がね」
「ないのよね」
「今はましになってっていうけれど」
「ネットでもネタにされる位にね」
「お金ないって言われてたわね」
「だからね」
そうしたチーム事情があるからだというのだ。
「育成に力を入れるしかないけれど」
「そのひたむきさがいいってね」
「人気があるのよね」
「これが補強ばかりだとね」
「他球団から掠め取るばかりの」
只の補強ではない、そうして相手チームを弱めて自分達の戦力を上げるというやり方はというのだ。
「そんなやり方ってね」
「巨人がやってた」
「あんなやり方だとね」
「育成しないから」
「いい人育てる気ゼロだとね」
これが巨人だった、育成を放棄したのがこのチームなのだ。
「ああなるわよね」
「それこそね」
「二十年連続最下位ね」
「勝率一割台の」
「それで人気最下位の」
「ああなったらね」
巨人の様にとだ、一華は軽蔑を込めて言った。
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