イベリス
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第九十五話 恋人のカードその四
「安心して下さい」
「わかりました」
咲はここでも頷いた、そして八枚目だが。
教皇の正だった、速水はこれを観て唸る様にして言った。
「素晴らしい環境ですね」
「今の私の置かれた環境は」
「非常に多くの素晴らしいものを学べる」
そうしたというのだ。
「よい環境です」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「どんどんです、様々なものをです」
「学ぶといいですか」
「はい」
まさにとだ、咲に言い切った。
「これは本当にです」
「いいんですね」
「ここでこのカードが出たことは」
環境でというのだ。
「為すべきこともです」
「はっきりしているんですね」
「そうです、順調にです」
こう言っていいまでにというのだ。
「多くの素晴らしいことを学ばれて下さい」
「そうしていいですね」
「そうです、頑張って下さい」
咲に微笑んで話した。
「これからは」
「そうします」
咲もそれならと応えた。
「頑張って」
「是非共、いい環境ならです」
「それを活かすことですね」
「そうして下さい」
「はい、そうします」
「それでは、さて次は」
九枚目を見た、それはというと。
塔の逆だった、速水は今度は冷静に頷いた。そのうえで咲に顔を向けてそのうえで冷静な声で話をした。
「小山さんは破滅を恐れていますね」
「はい、犯罪者になったり麻薬とかの中毒になったり」
咲も正直に答えた。
「そうしたことが」
「それがです」
まさにと言うのだった。
「出ています、九枚目は願望や恐れですが」
「私は破滅したくないので」
「それがです」
まさにというのだ。
「出ていまして」
「それで、ですか」
「塔の逆です、このカードは正でも逆でもです」
「ほぼ意味は変わらないですね」
「普通タロットのカードは正と逆で示すものが正反対になりますが」
「塔はですね」
「ほぼです」
まさにというのだ。
「意味が変わらない」
「そうしたカードですね」
「ですから最悪のカードとも呼ばれています」
タロットの中でだ。
「この場合恐れなのでわかりやすいです」
「私が恐れていることなので」
「はい」
まさにというのだ。
「非常に」
「そうですか」
「これはです」
速水はさらに話した。
「破滅しない様にです」
「気をつけることですね」
「それを恐れているのなら」
そうであるならというのだ。
「そうなることはないですね」
「そうですね」
咲もそれはと応えた。
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