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八条学園騒動記

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第六百九十五話 何でも飲む国その六

「現実の資本主義はな」
「独占資本にはならないね」
「そしてだ」 
 それにというのだ。
「お金があれば技術や設備にだ」
「投資しないとね」
「やっていけないからな」
 企業としてというのだ。
「そうしたものだからな」
「資本主義はね」
「そうそう富もな」
「蓄積されないね」
「そもそもマルクスってずっと働いてなくてね」 
 トムは彼の実際を話した。
「毎日ロンドンの図書館にいてね」
「在野の学者だったがな」
「世の中知っていたか」
「知らなかったとしか言えないだろうな」
 洪童は難しい顔で話した。
「やはりな」
「そうだよね」
「肉体労働はおろかな」
 それこそというのだ。
「学校で教鞭を取ったこともな」
「ないね」
「確かそうだった」
「そうだよね」
「そして生活はエンゲルスの世話になっていた」
 盟友である彼のというのだ。
「言うならな」
「ニート?」
「そうだった」
 マルクスの現実はというのだ。
「家出は亭主関白でな」
「女性の解放言ってなかった?」
「本人は違ってな」
 マルクス自身はというのだ。
「それでな」
「そんな風だったんだ」
「それでだ」 
 それ故にというのだ。
「実際のマルクスは結構な」
「何も知らなくて」
「矛盾もだ」
 人間的なそれもというのだ。
「あった」
「そうした人だったんだ」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「その主張もな」
「間違いが多いんだね」
「今見るとな、しかしな」
「その頃の韓国は」
「マルクスすら驚くまでのな」
 そこまでのというのだ。
「歪なな」
「状況だったんだ」
「それを改善することは困難で」
 そうした状況でというのだ。
「時間がかかった」
「何かかなりだったみたいだけれど」
「実際かなり大変でな」
「時間もなんだ」
「かかった」 
 そうだったというのだ。
「我が国の財閥の問題はな」
「そうなんだね」
「兎に角競争原理が働かないとな」
 資本主義なら必ずあるそれがというのだ。
「碌なことにならない」
「普通ないことだよね」
 トムは首を傾げさせつつ話した。 
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