冷たい川から
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第一章
冷たい川から
マンチェスター大学の学生達は今必死だった、茶色の髪に精悍な顔立ちのジャック=スペンサーはブロンドの長い髪に細面の友人ベン=キャンパーに言った。
「待て、迂闊なことはな」
「したら駄目か」
「まだ寒いんだ」
川に飛び込んでその中にいる茶色の大きな雄犬を見つつ話した。
「だからな」
「迂闊に飛び込んでか」
「助けないことだ、幸いリードは付いているんだ」
犬を見ればそうだった。
「それを使うんだ」
「皆で力を合わせよう」
「手をつなぎ合って伸ばしていけばいい」
「そうすれば助けられる」
「あの大きさだ、一人じゃ抱えるだけで精一杯だ」
他の友人達も言ってきた。
「そうしよう」
「ここはそうすべきだ」
「皆で力を合わせるべきだ」
こうした話をしてだった。
皆で力を合わせてそうしようということになった、すると。
そこに通行人達も駆け寄ってだった、皆で力を合わせ。
その犬を川から救い出した、これにだった。
犬の飼い主である街の老人バリ=アギョルは愛犬を抱き締めて言った。
「マッチ、よかったな」
「クゥ~~ン」
「皆のお陰だ、何と言ったらいいか」
「いや、こうしたことは」
キャンパーが応えた。
「お互い様ですから」
「いいですよ」
スペンサーもアギョルに話した。
「こうしたことは」
「そうですよ、それよりも助かって何よりです」
「そのことが嬉しいです」
二人の友人達も通行人達もこう言うばかりだった、その光景をだった。
街で働いているダビド=マック=イーメイル若い髭を生やした彼が動画で撮影してだ、家に帰って妻にその動画を見せて話した。
「ネットで拡散しようか」
「いいわね、素敵なことだし」
妻も笑顔で頷き動画が拡散された、すると。
「まさかな」
「こんなことになるなんてな」
このことが話題になり市長に表彰されてだった。
キャンパー達は驚いた、マンチェスターであったことだ。
ニューヨークでは今バーニーズマウンテンンドッグとレオンベルガーのミックスの雄の茶色のふさふさとした毛の大きな犬が身体を拭かれていた、そして。
茶色の短い髪の毛の女性と短い黒髪の眼鏡の青年がその犬を抱き締めてそのうえで警官達に言っていた。
「有り難うございます、お陰でです」
「またベアと会えました」
「クゥ~~~ン」
その二人母のエレン=ウォルビンニューヨークで弁護士をしている彼女と息子で大学生のザックも笑顔で礼を言った。
その中でだ、エレンは警官達に話した。
「実はうちの子は発達障害でして」
「そうなのですか」
「ですから」
それでというのだ。
「その介助犬にです」
「この子をですか」
「家族に迎えたんですが」
それがというのだ。
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