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第七十三話 海と木の間でその四

「来てもらう方がね」
「いいのよね」
「そう、今はね」
「北朝鮮みたいに無茶な規模の軍隊持ってるか」
「一定数の数が必要な国でないとね」
「志願制の方がいいからね」
「日本だってそうで」
 こう一華に話した。
「それがわかってないのよね」
「日本に徴兵制復活するとか言ってる人」
「志願制で充分っていうか」
「その方がいいしね」
「そもそもね」 
 留奈はこうも言った。
「自衛官必要ならちょっと採用基準緩くしたらね」
「倍率凄いからね、自衛隊も」
 一華もそれでと応えた。
「公務員だしね」
「自衛官の人達恰好いいし」
「やりがいのあるお仕事だし」
「人の為に働くね」
「災害救助とか行ってね」
「大変だけれどね」
「人気があるのは事実だし」
 若い人達の間でもというのだ。
「それで倍率も凄いから」
「それならちょっと基準緩くしたら」
「充分だしね」
「今更ね」
「徴兵制なんてする必要ないわよ」
「それよりもね」 
 かな恵がこんなことを言った。
「やる気のある人をじっくり訓練した」
「精鋭よね」
「北朝鮮なんてね」
 この国の軍隊はとだ、かな恵も言った。
「数は多いけれど」
「本当に無茶にね」
「けれど装備は古くて」
「核兵器あってもね」
「ミサイルとね」
「他はね」
「もう無茶苦茶古くて」
 それこそ半世紀以上過去のだ。
「骨董品みたいなので」
「そんな軍隊とは違うからね、自衛隊」
「ハイテク兵器で専門職化した」
「そんな軍隊だしね」
「もう徴兵制よりね」
「断然志願制よね」
「それで少数精鋭で」
 そのうえでというのだ。
「他のお仕事に沢山の人がいる方がね」
「いいからね」
「それが普通の国だしね」
「むしろ北朝鮮みたいに軍隊にばかり人がいるとか」
「そっちの方がおかしいからね」
「断然ね」
「だからね」
 かな恵はさらに言った。
「北朝鮮は国家経済破綻してるのよ」
「軍隊ばかり大きくてお金使ってるから」
「そこに将軍様の贅沢費もあるんでしょ」
「何でも軍事費があの国の予算の四分の一で」
 一華は国家予算の話からした。
「二割五分ね」
「無茶苦茶よね」
「それで将軍様の贅沢費が」
 軍事費に加えてというのだ。
「五分の一、二割ね」
「合わせて予算の四割五分ね」
「半分近くだから」 
 それでというのだ。
「そりゃね」
「ああなるわね」
「ああならない方がね」
 それこそというのだ。 
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