FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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五神竜
前書き
結構先のオリジナルストーリーでシリルのスーパーハーレムタイムと究極女装タイムを企画してるけどそこまでが長すぎて心折れそうな件について
「すごいよシリル!!」
「よくやったわ!!」
「さっすが~!!」
伸びている女剣士を視線の角に置きつつハイタッチをしている少年たち。それを見ていた男は笑みを浮かべていた。
「彼らならば・・・何も心配いらないかもしれない」
自らの望みと最後にやらなければならないこと、その両方を叶えてくれるかもしれない力を持った少年たちの登場に笑みを浮かべていた。
ドクンッ
「ぐっ・・・」
希望が見えたと思ったその瞬間、突如心臓が異常な脈を打ったことに気が付き、苦しくなった彼は胸元を押さえる。
「水神様?」
その異変に最初に気が付いたのは彼に抱き締められていたメガネの女性。その顔色が優れないことに気が付いた彼女は顔を覗き込む。すると、彼の目付きが今までの優しげなものとは異なっていることに気が付いた。
「水神様!?どうしたの!?」
「「「「「??」」」」」
カラミールのその声で何かが起きていると察したシリルたちはすぐに二人の元へと駆け寄る。その間にもメルクフォビアは頭を押さえ、呼吸が乱れている。
「どうしたの?」
「水神竜さん?」
「もしかしてさっきの攻撃が?」
完全にガードしたと思っていたシリルは彼の身体に傷がついていないかを確認しようと近寄る。
「ダメだ・・・」
そんな彼に対して聞こえるか聞こえないかという小さな声で呼び掛けるメルクフォビア。それをシリルは彼の意図とは違う意味で受け取ってしまった。
「どこが痛いんですか?ケガしてるならーーー」
彼がケガをしてそんなことを言っていると思ったシリルはそう問いかけようとしたところ、突然首元を握られ持ち上げられる。
「え・・・」
「シリル!?」
「ちょっと~!?」
「何すんのよあんた!!」
何が起きているのかわからず困惑しているシリルとその後ろにいる少女たちも同様の反応を見せる。その時、神殿が突如大きく揺れ始めた。
「何ですの?」
「これは・・・」
地震かとも思われたがその揺れはあまりにも激しい。その時、水神竜の表情を見たシリルは恐怖を覚えた。
「に・・・逃げろ・・・」
そう言った彼の顔は怒りとも焦りとも取れるようなものになっている。そして彼はあろうことか締め上げられているシリルの肩へと噛みついた。
「なぁ、グレイの魔法で船とか造れねぇのか?」
「造れるけど知ってんだろ?形だけだ」
「ちぇ、使えねぇ」
「なんだとコラ!!」
街の方へと伸びている氷の道を二人の縛り上げられている男を引きずりながら歩いている火竜と氷の魔導士。彼らは一触即発の状態になりそうになったが、まだ続く長い道のりのことを考えると疲れたくないと思ったのか、ため息をついて再び歩き始める。
「ん?」
「どうした?」
「エルミナの様子がおかしいぞ?」
「あん?」
滅竜魔導士特有の目の良さがあるナツが先の方に見える街を見てそんなことを言い出す。グレイもそちらを見るが、まだ距離もあるため何がおかしいのか検討もつかない。
「煙が上がってる」
「火事か?少し急ぐか」
呑気に構えていた彼らだがその異変に気が付いたことで速度を上げる。それにより引きずられている二人はよりケガがひどくなっていたが、彼らはそれに気が付くことなく街へと急ぐのだった。
エルミナの街へと戻ってきた二人。彼らはその光景を見て絶句した。
「な・・・なんだこれ・・・」
どこからか吹き出す水の波動がありとあらゆるものを破壊しており、街の住民たちは慌ただしく逃げ回っている。その中でホテルの支配人であるカシマが恋人であるサメコと合流しようとしていたが、その彼女の前に崩れた建物の残骸が落ちてきた。
「ヤバい!!」
「おい!!ナツ!!」
それを見て真っ先に身体が動いたナツは間一髪で彼女を救い出すことに成功した。
「き・・・君たち!!」
「何があったんだ!?」
「それが・・・」
「ナツ!!」
「ナツさん!!」
事情を説明しようとしたカシマだったが二人の元に駆け寄ってくる少女たち。そのうちの一人、緋色の人物が背負っている少年を見て、彼らは口をあんぐりと開いた。
「シリル!!」
「どうしたんだこのケガ!?」
肩から血を流して動けなくなっている水の竜。そのケガは深い上に何かに噛み千切られたような跡までついていた。
「一体誰が!?」
「実は・・・」
そう言って視線をある方向へと向ける天空の巫女。その先にいる巨大な存在を見つけた彼らは、その場へ立ち尽くす。
「ドラゴン!?」
「まさかあれが・・・」
「えぇ」
「水神竜さんです」
どこからどう見てもドラゴンであるそれは彼らの記憶にあるそれよりも遥かに大きく、あまりの魔力に額から汗が流れ落ちる。
「イグニールよりデケェ・・・」
「これが"神"の名のつくドラゴンなのか」
ある空間にて自身のある球体を見ている男。すると彼は後ろにいる人物へと声をかける。
「何勝手に俺の部屋に入ってるんだ?」
「いやぁ、嘲笑いに来たんだ、お前を」
振り返ることもしないその男に笑いながら話しかける彼は、非常に楽しそうに男の顔を覗き込むが、無表情になっている彼を見てつまらなそうに距離を取る。
「その様子じゃ、勝手に行動された感じか」
「まぁ、一度は出した指示だ。"楽"を覚えさせると、如何なる者もそれを忘れられなくなるらしい」
残念そうにそう呟いた彼を見て憐れむような目を向ける。すると今度は男の方がその人物へと問いかけた。
「お前はいいのか?面白いこと思い付いたって聞いたが」
「あ?やっぱり気になる?」
「いや、いい」
「まだ何も言ってないじゃん!!」
「どうせ例の世界のことだろ?」
それを言われ残念そうに苦笑いを見せる人物。それがリアルなのかフェイクなのかわからず、男は苛立ちを押さえながら質問を続ける。
「もうそれはやってるのか?」
「やろうと思ったけど、今は活動できないもんでね」
「はぁ?なんで」
「う~ん、何て言えばいいのかな?」
よほどの不都合があるのかうんうんと唸りながら言葉をまとめている様子の人物のことを静かに待ち続ける。しばらくするとようやく何を言えばいいのか決まったようで、その人物はポンッと手を叩き話し始める。
「誰だって怖いと思う相手はいるもんだよね、それが俺たちであってもってこと」
「あぁ。言いたいことはなんとなくわかったわ」
彼の言葉の意味を理解した彼はそう言うと、立ち上がりどこかに行こうとする。
「あなたは今一番怖いのはあの人なんでしょうけどねぇ」
「用が済んだなら帰ってくれ」
「あぁ、最後にこれだけ」
男の前に立った彼は人差し指を立て、笑顔で告げた。
「俺はあなたを擁護するよ、だからいざという時はよろしく頼むぜ」
そう言い残しその場から姿を消してしまう。そこまで来てようやく、彼の考えを理解した男は深いため息をついた。
「ますます荒れるな、こりゃあ」
自身にも責任があるにも関わらず他人事のようにそう言った彼は、どこを目指すのかその場から姿を消したのだった。
シリルside
「うぅ・・・」
激痛が走る肩。真っ白な天井を見ながら目が覚めた俺は真っ先にそれに気が付くとそこを押さえながら身体を起こそうとする。
「シリル!!」
「よかった~!!」
「気が付いたのね!!」
そんな俺を真っ先に向かえてくれるのは三人の少女たち。打ち二人は猫だけど、現在は人間の姿になっているし少女たちといって差し支えないだろう。
「ウェンディ・・・ここは?」
「神殿だよ。大丈夫な部屋があったから貸してもらってるの」
身体を起こすために力を入れるとまだ痛みが走る。なんでこんなことになったんだっけ?
「そうだ!!水神竜さんは!?」
俺は意識を失う直前のことを思い出し、周囲を見回す。そのタイミングで扉が開き、見知った顔が入ってくる。
「おぉ!!気が付いたのか!!シリル」
「無事で何よりだ」
「よかったぁ!!」
俺が目覚めたことで笑顔を見せるグレイさんたち。するとその前にいた水神竜さんがボロボロの姿で、松葉杖までついていることに気が付いた。
「いやぁ、君にも迷惑をかけてしまって・・・めんぼくない」
全身包帯だらけになっている彼と隣にいるカラミールさんの目元に涙の跡がある。それにより俺は何かが起きていたことを察知し、ウェンディの方を見る。
「実はね・・・」
水神竜さんは力を失ったのではなく、その力を"制御"する力を白魔導士に奪われたこと。その白魔導士が何らかの理由で彼の魔力を引き上げ暴走させたこと、それをナツさんたちが止めたこと、そしてその戦いのダメージにより水神竜さんが魔力を失ったことを聞いた。
「あれ!?じゃあ五神竜一人目は封じたってこと!?」
俺が気を失っているうちにまさかの展開になってしまっていたことに同様を禁じ得ない。しかも倒したのがナツさんって・・・相性最悪なのに頼ってしまった形になったのが何とも情けない。
「気にすんな、お前がいなかったら俺たちもしかしたら負けたかもしれねぇしな」
「??それはどういう・・・」
最初はその言葉の意味がわからなかったが、どうやら俺があの女剣士を倒した際の衝撃波でグレイさんが逆転勝ち、さらにはそれによってナツさんも危機を脱しての勝利だったらしく役には立てていたらしい。ただ、あのドラゴンイーターと名乗っていた三人は水神竜さんが暴れている隙に逃げてしまったようだが。
「彼も目覚めたことだし、さっきの話に戻ろう」
「おう。そうだった」
彼らはエルミナの街へ謝罪と挨拶に行っていたようだが、ナツさんが水神竜さんにどうしても聞きたいことがあるとのことで神殿まで戻ってきたらしい。なので全員が揃ったところで俺たちは水神竜さんに案内されるがままに別の部屋へと移動した。
「イグニアが来たのかい?ここに」
ナツさんが聞きたかったのはイグニアと呼ばれるドラゴンについて。どうやらそのドラゴンがナツさんに自らの炎を食べさせて、その力によって水神竜さんを倒すことができたらしい。
「なるほど。街の焼け跡は君の魔法かと思ったんだが・・・」
「なんでも俺のせいにするなよな!!」
「半分くらいあんたのせいよ」
二頭のドラゴンが現れたことにより街は大きな損害があるらしいけど、死者は出ていないことが唯一の幸いとのこと。
「イグニアがここに来てみんな無事とは信じられん」
「あの炎のドラゴンか?何者なんだ?」
そう言った時の彼はうつむき加減で答えた。
「五神竜の一頭・炎神竜イグニア。その昔炎竜王と呼ばれたイグニールというドラゴンがいた。その血を継ぐもの、それがイグニアだ」
「な!!」
「血を継ぐって・・・」
「それって・・・」
「イグニールの子供!?」
「そっか!!だからナツを知ってたのね」
ナツさんのお父さんであるイグニールの実の子供。そのためか彼はナツさんを知っていたようで力を与えたらしい。俺たちのそのリアクションに不思議そうな顔をしている水神竜さんに説明すると、彼は納得したようだった。
「ナツ・・・君がイグニールに育てられた子なのかい?なるほど。だからイグニアは様子を見に来ただけだったのか」
「イグニールの子供がこの大陸で悪さしてるってんなら俺が懲らしめてやらねぇとな」
よほど何か気に触ることがあったようでいつにも増して高圧的なナツさんの態度。しかしそんな彼に対し水神竜さんは諭すように言葉を放つ。
「言いづらいことだけど、とてもじゃないけど君たちの勝てる相手じゃない。イグニアだけじゃない、他の五神竜にも歯が立たないだろうね」
これは彼なりに俺たちにできる最大限の助言だったのだろう。ただ、例えそうだとしても俺たちはそれを受け入れることはできない。
「それでもやると決めたからにはやる!!それが俺たちのギルドだ」
「他の五神竜のこと教えてくんねーか?俺たちはそのためにこの大陸に来たんだ」
俺たち全員の表情を見た彼はその本気度が伝わったのか、椅子にま深く座り直す。
「しばらく交流はなかったからね、居場所まではわからない。君たちには借りもあるし情報だけは与えよう。
イグニアのことはさっき話した通り、炎の神竜・・・そしてとても好戦的な者だ。奴が破壊した国は数知れない、こうしてエルミナが残っているのは奇跡に近い」
その話を聞いてゾッとしたのか、ハッピーの顔が青ざめている。
「次に木神竜アルドロン。奴は世界一大きな種のドラゴンだ。自然の力を使い、人間の心を読むと言われている」
木々は人の声が好きとウォーロッドさんが言ってたけど、そんな感じで心を読んでくるのかな?話だけ聞くと怖くないのは俺だけ?
「月神竜セレーネ、星の力を使う強大なドラゴン。金神竜ビエルネス、こいつのことだけは知らないんだ。会ったこともない」
「え?会ったことも?」
「同じ五神竜なのにですか?」
「私たちは別に自らの五神竜と名乗っている訳じゃないんだ。我々のした悪行が人々に語り継がれやがて・・・そう呼ばれるようになった」
確かに自らを神と名乗ってたらそれはあまりにも痛すぎる。だから彼らは特に戦うこともしなければ協力するようなこともしてなかったわけか。
「なんで悪行が"神"になるんだよ」
「五悪竜でいいんじゃねーか?」
「確かに変な話よね」
それに対しナツさんたちらしい疑問が飛び出ます。それに対してカラミールさんが自身の意見を述べました。
「ですが人間は強大な力を前にした時、畏怖の念を込めてそれを神と讃えることがあります。例えそれが善でも悪でも」
「死神とかいますもんね」
ありとあらゆるものに神を付けることがあるように悪に対しても神がつくのはごく自然なことなのかもしれない。
「そんなわけで我々五頭は一堂に会したことはない。だから互いのことはよく知らないんだよ」
「それでも参考になった、礼を言う」
五神竜がどんなドラゴンたちなのか全くわからなかったところから進歩があっただけでもありがたい。しかし水神竜さんの情報はこれだけではなかった。
「他の四頭の場所はわからないと言ったけど、実はそのうちの一頭だけ心当たりがあるんだ」
「本当か!?」
もちろん確実ではないがと付け加える水神竜さんだけど、少しでも手がかりになるのでこれはありがたい。しかし彼はそれを話す前に俺たちに問いかけた。
「さっきも言ったけど、敵う相手じゃないよ。それでも行くのかい?」
「もちろん!!」
彼のその問いに俺たちは迷うことなく返事をする。それを聞いた水神竜さんは小さく笑みを浮かべ、話し始める。
「この大陸の中心部にドラシールという最大の都市がある。そこに木神竜アルドロンの情報があるはずだ」
水の次は木・・・次の戦いの時はしっかり戦力にならないと・・・その情報を手にしたナツさんたちはすぐにでも行動しようと立ち始めたため、俺はそんなことを考えながら後ろを付いていこうとする。
「君・・・」
「はい?」
そんな俺に声をかける水神竜さん。俺はそんな彼の方に向き直ると、突然抱き締められる。
「!!」
「え?え?」
「どうした?突然」
彼の行動の意味が理解できず困惑する俺と後ろにいたナツさんたちも意味がわからずこちらを唖然として見ている。
「あ・・・あの・・・」
「君は・・・誰に滅竜魔法を教わったんだい?」
「お父さんですけど・・・その・・・」
困惑しながらも頭の中はフル回転している。教えてくれたのはヴァッサボーネだけど、お父さんは元々人間でドラゴンの身体をもらっただけだし・・・
「いや・・・いいんだ・・・」
何と返答すればいいのか迷っている俺を離す水神竜さん。その目にはうっすらとではあるが、涙が溜まっているように見えた。
「ごめんね、急に」
「い!!いえ!!」
その表情にますます困惑して慌てて首を振る。彼はまだ何か言いたそうだったが、思い止まったのか、何も言うことなく俺たちを送り出してくれたのだった。
第三者side
「行ってしまいましたね」
「あぁ」
次の目的地へと向かう人物たちを屋根の上から見つめている二人。そのうちの一人、水色の髪の少年を見ながらメガネの女性は話しかける。
「言わなくてよかったんですか?」
「何がだい?」
「彼女・・・お孫さんにあたるんじゃないんですか?」
その言葉を聞いて小さく口角を上げるメルクフォビア。彼はこちらに気付くことなく隣にいる同い年くらいの少女と仲良さげにしている彼を見て、あるドラゴンを思い出していた。
「竜王祭で命を落としたと聞いていたけど、こんな形で会えるとは思ってなかった」
懐かしい匂いと魔力の質に感情が込み上げてくる。そんな彼に対し、女性は不躾とは思ったがあることを思っていた。
「あの子は覚えてなかったみたいですが・・・」
「もしかしたら、何か事情があるのかもしれないね」
メルクフォビアは何らかの事情があることを察してはいた。そのためこれ以上はシリルを混乱させると思い話すことをやめたのだ。
「それと・・・あの子は男の子だぞ」
「え!?」
そして彼から告げられた衝撃的な言葉にカラミールはメルクフォビアの顔とすでに後ろ姿しか見えない少年を交互に見ている。その表情がまるで狐に化かされたようなものになっており、メルクフォビアは笑いを堪えられずにいた。
カッカッカッカッ
一方その頃、黒髪の女性の後ろから近付いてくる足音が聞こえてくる。それがすぐ近くまで来ると、彼女は立ち上がり振り返る。
「何?勝手にこっちに来たら怒られるんじゃない?」
「そんなこと言わないでよ、俺たちの仲じゃん」
そう言って彼女の肩に手を回す男だったが簡単に払い除けられ残念そうな表情を見せる。しかしそれが演技であることを女性は気付いていたため、フォローをすることはない。
「それで?何しに来たの?」
「そうそう、忘れるところだった」
ポンッと手を叩く彼に呆れたようにタメ息を漏らした女性。そんな彼女のことなど気にする素振りも見せず、男は続ける。
「少しだけお前の世界で遊ばせてくれない?」
その問いかけにさすがの彼女も耳を疑った。しかし彼は悪びれる様子もなく、至って冷静なままで回答を待っている。
「あのね、あなたにはあなたの担当の世界があるのに、それはいくらなんでも無茶苦茶すぎない?」
「えぇ?いいじゃん別に!!あ!!それとも・・・」
彼女に接近した彼は耳元で囁くようにこう告げた。
「魔神とやってること、全部話しちゃおうか?」
それを言われた途端諦めたかのように首を振った彼女を見てニヤリと変わる男の表情。そんな彼はやることが決まったからなのか、その場からいなくなろうとする。
「もっと前から動くこともできたのに、なんでそれをしなかったの?」
彼女は彼が何をしようとしているかもおおよそ把握しており、それを以前からやろうとしていることも承知していた。しかしなかなか行動に移さなかった彼が突然そんなことを言い始めたため、不思議に感じてそう問いかけたのだ。そんな彼女に対し彼は振り返ると舌を出して答える。
「例えどんな立場でも、親は怖いからね」
「あぁ、そう言うことね」
それにより全てを理解した彼女は元の位置へと戻ってしまう。それに満足した男はその場から一瞬で姿を消したのだった。
後書き
いかがだったでしょうか。
ナツとイグニアとの関係性を壊さないようにするためにまさかのシリルを退場させるという荒業を披露した今回。
水竜なのに水神竜編をほとんどやらないのはいかがなものかと思いますが、そういう当たり前にとらわれないのも私らしいかなと思うのでこんな感じになってます。
次からは例のそっくりさんたちのお話ですが、久々にシリルとウェンディをイチャイチャさせたいと考えていたりします。
できるかはわかりませんが( ̄▽ ̄;)
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