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ハッピークローバー

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第七十二話 海軍の記憶その十四

「学校の制服はね」
「軍服が元なのよね」
「それでうちの学校の制服男女共何十種類ずつあるけれど」
「どれも軍服が元で」
「白い詰襟はね」
「海軍のものでね」
 一華は明るい笑顔で話した。
「私としてはね」
「あの白い詰襟が好きなのね」
「ドイツ軍なんてめじゃないでしょ」
「そこまで恰好いいのね」
「黒の詰襟もね、帝国海軍の軍服がね」
 夏も冬もというのだ。
「一番恰好いい軍服でしょ」
「ううん、私はね」 
 理虹は一華の話を聞いてこう言った。
「ナポレオンの時のフランス軍の」
「あの青と白の軍服?」
「あれが好きだけれどね」
「あの軍服お洒落よね」
 留奈も言ってきた。
「確かに」
「ううん、あの頃の軍服はあの頃ので」
 一華は留奈にどうかという顔で話した。
「二十世紀からのね」
「軍服とまた別っていうのね」
「私的にはね、それ言ったらイギリス海軍の」
 ネルソンで知られるこの軍隊のというのだ。
「提督さんの軍服好きだけれどね」
「それでも海軍ね」
「言われてみたらそうね、帝国海軍の軍服も好きだし」
 それにとだ、一華も否定せずに答えた。
「あの頃のイギリス海軍の軍服もね」
「好きなのね」
「あれがネイビーブルーよね」
 当時のイギリス海軍の軍服の色こそがというのだ。
「渋くてね」
「あの色確かにいいわね」
 留奈もそれはと頷いた。
「恰好いいわね」
「そうよね、それで何と言っても一番好きなのは」
「白い詰襟ね」
「あの軍服よ」
「あの軍服確かに恰好いいけれど」
 それでもとだ、留奈は一華に微妙な顔になって話した。
「お洗濯大変よ」
「白は汚れ目立つから」
「学校でもあの制服人気あるけれど」 
 白の詰襟はというのだ。
「けれど汚れがね」
「目立つわね、絶対に」
「だからお洗濯がね」
「大変なのね」
「あの軍服着てカレーうどん食べられる?」
「あっ、それ無理よ」
 一華も即座に答えた。
「絶対に」
「そうでしょ」
「それ拷問でしょ」
 一華はこうまで言った。
「あの制服でカレーうどんって」
「だからあの制服着てるね」
 そうしたとだ、留奈も言った。
「うちの学校の子も」
「カレーうどん食べないわね」
「カレーラーメンもで」 
「カレーシチューもね」
「あとビーフシチューもね」
 こちらもというのだ。
「とてもね」
「食べられないわね」
「ちょっとしくじったら」
 食べる時にというのだ。 
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