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星河の覇皇

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第八十三部第四章 戦線崩壊その二十五

「わかっているな」
「この状況でもですね」
「あの攻撃は来ますね」
「むしろオムダーマン軍が来た」
「この状況だからこそ」
「来ますね」
「そうだ、私でもだ」
 その攻撃の正体がわからないがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「この状況でこそですね」
「来ますね」
「オムダーマン軍の攻勢と合わせて」
「そうしてきますね」
「オムダーマン軍の攻撃はこちらの防衛ラインにだ」
 まさにそれにというのだ。
「堂々と来ているな」
「迎撃が来る場所に」
「それが来る場所にあえてですね」
「堂々と来ていますね」
「実際にミサイルやビームは来ていますが」
「それでもですね」
「そうだ、そして攻めて来るということは」
 それはというのだ。
「その証と言っていい、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「一体」
「今の我が軍にはだ」
 ここでだ、アブーは歯噛みしてこの言葉を出した。
「オムダーマン軍の攻勢だけでもだ」
「凌げない」
「そうした状況ですね」
「こちらの迎撃を乗り越えてきますね」
「その勢いですね」
「敵の損害は与えている」
 これは確かだった、今残っている要塞の主砲の攻撃でオムダーマン軍の艦艇が三百程消え去った。その中にいる将兵達と共に。
 だがそれでも彼等の動きは止まらない、それで言うのだった。
「しかしだ」
「それでもですね」
「与えている損害は敵を退ける程ではありません」
「足止めすら出来ていません」
「だからですね」
「ここはですね」
「そうだ、これではだ」
 到底というのだ。
「勝つことは出来ない」
「オムダーマン軍の攻撃だけでも」
「そだけでもですね」
「我々は敗れますね」
「既に遠距離攻撃で損害を受けています」
 砲艦そしてミサイル艦のそれでだ。
「防衛ラインはさらに打撃を受け」
「敵の戦艦や重巡の射程に入ろうとしています」
「そこに入れば」
「その時は」
「再び砲艦やミサイル艦も攻撃を加え」
 そしてというのだ。
「直後に魚雷も来る」
「そちらもですね」
「特に駆逐艦のそれが来ますね」
「そうなってしまえば」
「こちらはその一撃でかなりの打撃を受け」
「そしてですね」
「そうだ、それでだ」
 まさにというのだ。 
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