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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百八十五話 アイドルイベント その4

第二百八十五話 アイドルイベント その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
焼き肉のたれを一気飲みして病院に緊急搬送された田中の代わりに、人気アイドル『アスベスト』のライブに竹田と共に参上した俺を待っていたのは、いい意味でも悪い意味でも熱狂的なアイドルファン達の姿だった。
ライブは大盛り上がりで、ファンの中には生魚の尻尾をつかんで振り回している奴らもいる。
ファンが振り回している生魚から生臭い液体が周囲にまき散らされる。
ライブ中に、マナーの悪いファンに向かって、人間とパブリックモンスターのアイドルファンたちからブーイングが起こる。
すると、ファンの1人が、マナーの悪いファンに向かってホイッスルを鳴らす。
多くのファンの視線がライブ中にホイッスルを鳴らしたファンに集中する。
ホイッスルを鳴らしたのは、アスベスト親衛隊の証であるピンクのハチマキとはっぴを身に着けたPGS(パブリックガーディアンズ)の戦士、霧原カイトだった。
「そこの生魚を振り回しているファン!もうすこし、周りの迷惑を考えられないのかァァァァァァッ!」
「おい山神ィ!アイツ、PGSのカイトだよな...」
「アイツ、こんなとこでなにやってんだ...」
カイトの隣には、アスベスト親衛隊の証であるピンクのハチマキとはっぴを身に着けた大地の断罪剣士・工藤リンカもいた。
工藤リンカは周りで起きているトラブルもお構いなしにライブに集中し、無表情のまま、ハートマークが書かれたうちわを振り回している。
(アイツ、アイドルファンだったんだな...)
まぁ、アイドルを好きになるのに性別は関係ないからな...。
俺は視線を再びPGSのカイトと生魚を振り回しているファンに向ける。
カイトは生魚を振り回しているファンと激しい口論をしている。
「そこのマナー違反者ァ!いますぐ生魚を持って会場から出ていけぇぇッ!」
「うるせぇ!ライブ中に生魚を振り回しちゃいけないなんて、チケットには書いてなかったぜ!」
「そもそもアイドルのライブはなァ!生魚を振り回すイベントじゃないんだよォッ!」
至極当然である。
しかし、迷惑ファンは生魚を振り回すのをやめない。
俺は迷惑ファンの手首が心配になった。
このままでは、ライブが中止になってしまう。
つーか、なんで工藤リンカはカイトを止めないんだ?
俺はカイトと迷惑ファンの喧嘩を止めるために仲裁に入る。
「PGSの霧原カイトさんも、生魚の迷惑ファンさんも、喧嘩はやめましょうよ!」
「お前は断罪剣士の山神ムサシ...まさか、その格好...お前もアスベストのファンだったとはな...!」
「ちげーよ!竹田に無理やり着せられたんだよォッ!」
迷惑ファンが喧嘩の仲裁に入った俺に敵意を向けてくる。
「なんだてめぇはァ!」
「俺は山神ムサシです、つーか喧嘩はやめましょう、みんなの迷惑ですし、このままだとライブも中止かも、あと、その生魚なんの魚ですか?」
「サバァ!」
「じゃあ、そのサバどっかにしまって、ライブに集中しましょう...」
迷惑ファンはサバをズボンの中にしまう。
そこにしまうのかよ...。
「まったく...貴様のような迷惑ファンがいるからアイドルファンは世間から社会不適合者扱いされるんだ!こんどからは、もっと気をつけろォ!」
「うるせぇ!PGSは死ねぇ!」
「なんだとォッ!」
「ほらほらほらほら、二人とも、喧嘩はやめてライブに集中しましょう!」
しかし、今度は別の席でトラブルが発生する。
なんと、ライブを鑑賞していたファンがいきなり、観客の波をかき分けて、ライブステージに接近していくのだ。
その手にはやはり、生魚が握られていた。
俺はヤツを迷惑ファン2号と呼ぶことにした。
霧原カイトがホイッスルを鳴らしながら、迷惑ファン2号に突撃していく。
カイトと迷惑ファンの醜い口論が始まる。
「貴様ァ!その手に持っている魚はなんだァ!」
「シャケェッ‼」
「そういうことじゃないんだよォ!」
「お前が聞いてきたんだろォ!」
迷惑ファン2号がシャケでカイトの顔を殴る。
あまりの生臭さにカイトがうめく。
「クサァァァーッ!俺はPGSの霧原カイトだぞォ!PGSなんだぞォ!」
「だからどうしたPGSは死ねぇ!」
観客席に座っていたパブリックモンスターのアイドルファン達からカイトに向かってブーイングが起こる。
おそらく、パブリックモンスターが人間社会に移民する前に発生した、モンスターエリアでの食料配給の停止をいまだに恨みに思っているのだろう。
モンスターエリアの食料配給の停止をしたのはPGSだったのだ。
カイトへのブーイングは止まらない。
「PGSは死ねぇぇぇッ!」
「お前たちがモンスターエリアで俺達パブリックモンスターにしたことを俺は一生、忘れないからなァ!」
「そうだァ!貴様らPGSのアズマに無差別に殺された仲間たちを返せぇぇッ!」
「俺たちと同じパブリックモンスターのくせに、モンスターエリアのパブリックモンスターを見下しやがって!ムカつくんだよォ!」
カイトが反論する。
「我々、PGSのパブリックモンスターは人間たちを守る為に命を懸けて、暴走したパブリックモンスターと戦ってるんだ!貴様たちのように、モンスターエリアに引きこもって、ただ与えられるだけの生活をしていた怠け者のパブリックモンスターとは格が違って当然なんだよォ!身の程を知れ!」
「引きこもっていただと!俺達はかつて、人間社会から一方的にモンスターエリアに隔離されたんだァ!それを、お前たちがモンスターエリアの住人に対して行った食料配給の停止と無差別銃撃を正当化していい理由にはならないんだよォ!」
「黙れぇ!なんだかんで言ってモンスターエリアから人間社会に移民できたんだから文句ないだろォ!」
ライブ会場は、もはや、アイドルライブの会場というより、PGSと人間社会に移民してきたパブリックモンスター達の暴動になっていた。
このまま暴動が続けば、間違いなく、ライブは中止になり、ストレスにより、会場のパブリックモンスター達が暴走してしまうかもしれない。
遅かった。
俺の頭におぼろげながら浮かんでくるパブリックモンスターの暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
突然叫ぶ俺に、先程サバを振り回していた迷惑ファン1号がキレる。
「うるせぇよ!いきなり耳元で叫ぶなァ!ぶっ殺されてぇのか!」
PGSの霧原カイトと口論をしているアイドルファンのパブリックモンスター達が次々に暴走を始める。
人気アイドル『アスベスト』のライブ会場は地獄絵図と化していた。

次回予告 アイドルイベント その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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