超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第二百八十三話 アイドルイベント その2
第二百八十三話 アイドルイベント その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
政府の『新社会宣言』によって、人間とパブリックモンスターが同じ社会で生きる世界が始まってしまった。
ファミレス『ダイオキシン』で1735円のアイスティーを飲み終えた俺は街を歩く。
街路の壁には人気アイドル『アスベスト』のポスターがたくさん貼られていた。
政府がプロデュースしている『アスベスト』は人間とパブリックモンスターの共存を目的に結成されたアイドルユニットである。
アスベストのメンバーは、人間とパブリックモンスターのアイドルの二人である。
政府はおそらく、人間とパブリックモンスターが同じアイドルを応援するようになれば、人間とパブリックモンスターの争いが減ると考えているのだ。
俺は学校に戻る。
授業中にもかかわらず、俺は学生寮の自室に向かう。
俺の自室では、いつものごとく、竹田と部長が鍋うどんを食っていた。
「おかえり山神」
「おかえり山神君」
「おかえりじゃねぇよ!アンタたちまだ授業中になのに俺の部屋で何してくれとるんじゃあッ!」
「何って、鍋うどんよ」
「ああ、鍋うどんだ、昨日の鍋で残った汁に冷凍のうどんをぶち込んで煮込んだ鍋うどんだ。山神も座って食えよ」
いい加減ツッコむのがめんどくさくなった俺は腰を下ろして鍋うどんをすする。
「うん、おいしい」
「ところで、山神、明日、この辺で超大人気アイドルユニット『アスベスト』のライブが開催されるのは、知っているな?」
「本当は知ってるって言いたくないけど、街中の壁にポスターが貼られていたからな、嫌でも知っとるわ」
「俺、実はチケット持ってるんだよね...」
「で?」
「実はさぁ、ホントは隣のクラスの田中コウジと一緒に行くはずだったんだけどさ、田中のやつ、焼き肉のたれ一気飲みで緊急搬送からの入院で急にライブいけなくなっちゃったらしくて...」
「なんで飲んだの?」
「もしよかったら、お前も行くか?アスベストのライブ!」
「う~ん、俺、あんま、アイドルとか興味ないんだよね...」
「私も」
「いや、部長は誘ってねぇし」
「だいたいさぁ、アイドルなんてカルト教団みたいなもんよ、そんで、アイドルファンはカルト教団の信者。歌って踊って思ってもねぇことペラペラしゃべって信者を洗脳して狂信者にして、法外な金を巻き上げて、その金で楽して、彼氏は絶対作らないといいつつも、知名度を利用してイケメン俳優やイケメンアイドルとズッコンバッコンの末に高収入のセレブと玉の輿。竹田君、アンタみたいなわかりやすいアイドルバカ童貞は金と欲とイケメン俳優とセレブのチ●コしか頭にない見た目がイイだけの性悪アイドルのいいカモなのよ、どう勉強になったでしょ?アイドルはアイドルファンに興味なんてないの、興味があるのはアイドルファンの金。アイドルなんて幻想なのよ、カルト教団のやつらがこの世界に存在しない神を崇拝しているの同じ、おわかりか?」
「おっ、そうだな」
部長の暴言に竹田はそれだけ言って鍋うどんをすする。
竹田のアイドルに対する熱意と覚悟は俺と部長が考えているより、かなりキマっていた。
「山神君、なんか悔しいから、自販機でジュース買ってきなさいよ」
言っていることが、誠にめちゃくちゃである。
俺は廊下にある自販機を10回ほど殴る。
ビーッ‼ガタガタガタゴトン!
いびつな音と共に、自販機からペットボトルに入ったアイスティーが大量に出てくる。
「ちくしょう!ジュースじゃなくてアイスティーかよ‼」
コレは俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に伝わる秘技『ファイナルクラッシュ』である。
ちなみにこの技の始祖と、この技のクソダサネーミングを考えたのは部長らしい。
俺はビニール袋にアイスティーのペットボトルを13本入れる。
「部長、自販機、アイスティーしかなかったんですけど、いいですよね」
「そんなわけないでしょ、アンタ、またアレやったんでしょ?アレ、ファイナルなんちゃら、あれセンコーに見つかったら退学もんよ、つーかいらねぇよアイスティー13本も!」
「だったら、部長が自分のお金でジュース買えばいいじゃないですか...」
「わかったわよ、飲めばいいんでしょアイスティー!アイスティーアイスティー!」
鍋うどんを食べ終えた俺達3人は、余った十本のアイスティーのペットボトルでボウリング大会を開催した。
部長が俺の自室の地球儀を分解して、ボウリングのボールにしてしまった。
授業を終えたヨシノが俺の自室に帰ってくる。
「アンタたち、ペットボトルでなにしてんの?」
「ボウリング大会」
「いいわね、人生楽しそうで」
実際楽しかった、竹田が2回優勝したあたりで、3人とも一瞬、真顔になりお互いの顔を見合わせる、自分たちのバカさ加減にお互いに気付いた瞬間、お互いの顔を見ながらバカ笑いして、それからはもう開き直ってらりるれろ。
最終的に12回優勝した竹田に、優勝賞品としてボウリング大会にピンとして使われたアイスティーのペットボトル10本が贈呈された。
大会に優勝した竹田選手は後のインタビューでこう述べた。
「明日のライブが楽しみです」
次回予告 アイドルイベント その3
後書き
次回もお楽しみに
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