八条学園騒動記
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第六百九十三話 オーストラリア人の夢その十
「エウロパ総統ってね」
「権限強くてね」
「独裁者よね」
「そうも言われるね」
「実際どうかしら」
「独裁者じゃない?」
ベンはクララに少し考える顔になって答えた。
「やっぱり」
「そうなの」
「だってあそこは総統がそうだって言ったら」
国家元首である彼がというのだ。
「それで法案もすぐに覆るし」
「拒否権ね」
「大統領令で」
これを出してというのだ。
「法案通したり司法にもね」
「介入出来るの」
「そうみたいだから」
「独裁者なのね」
「僕はそう思うよ」
その様にというのだ。
「エウロパ総統はね」
「そうなのね」
「それで悪いこともだよ」
エウロパ総統はというのだ。
「するんだよ」
「独裁者だから」
「そうした存在だからね」
「そう思うと今のギルフォード総統も」
「あの人は間違いなく極悪人だよ」
ベンは太鼓判を押して言い切った。
「どう見てもね」
「そうなの」
「うん、イギリス貴族で」
イングランド貴族である、尚連合ではイングランドとスコットランド、ウェールズ、アイルランドの貴族の区分がついていない人もいる。
「しかも侯爵だっていうから」
「もうイギリス貴族で爵位が高いと」
どうかとだ、ケイトは言った。
「それだけでね」
「悪い奴って思うよね」
「ええ」
兄にそうだと答えた。
「私にしても」
「そして実際にだよ」
「悪いことしてるのね」
「色々言われているよ」
連合の中ではだ。
「もう善人の顔をして」
「その裏では」
「やりたい放題で」
そうしてというのだ。
「汚職だってね」
「してるの」
「そうみたいだよ」
こうケイトに話した。
「本屋さんでもあの人について書いた本あるけれど」
「その行いも」
「もう権力を使って」
貴族のそれをというのだ。
「平民の人達を虐げて」
「そうしてなの」
「虐待もね」
「してるのね」
「領地の平民の人達が何もしていなくても」
それでもというのだ。
「鞭でね」
「ひっぱたくの」
「そうらしいよ」
「無茶苦茶ね」
「連合でそんなことする人って」
ベンはケイトに顔を顰めさせて話した。
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