やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
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パラディ島編 第20話 調査兵団② 異形の討伐と壁外からの帰還
ヒョウside
さてさて・・・、兵長に指示されてここに残ったけど・・・。
リヴァイ班につかなくて良かったのかねぇ・・・。
というか、もはや原作と懸け離れてるなぁ・・・。
異形の巨人は出てくるわ、巨人の量は異常なほど多いわ・・・。
はぁ・・・。
異形についてもあまり分かってないし・・・。
・・・巨人を呼ぶにしても、異形に無垢が襲いかかるかもわからないし・・・。
・・・ア”ア”ァ”ァ”ァ”・・・。頭パンクしそう・・・。
考えても仕方ないし、目の前の巨人こいつから情報を聞きだすことにしようか。
リヴァイ「ヒョウ、さっきのことについて話してもらおうか。」
考えをまとめ、行動に移ろうとした時、兵長にそういわれた。
・・・話した方がよさそうだな。
まぁ、分かってることがそれほど無いんだけど。
ヒョウ「分かりました。
でも、エルヴィン団長にも話しておきたいのですが・・・。」
リヴァイ「・・・そうだな・・・。ついて来い。」
そういって、兵長は立体機動でエルヴィン団長のところまで飛んでいく。
それに俺も続く。
リヴァイ「おい、エルヴィン。あの巨人についてだが・・・、
うちの班のヒョウが何かしら知ってるらしい。」
エルヴィン「!・・・本当か?ヒョウ・・・、君は・・・、
・・・敵か?それとも味方か?」
ヒョウ「味方・・・と言いたい所ですが、それの真偽は分からないので、
このことについては一旦保留という事にさせてくれませんか?
あの巨人について知っていることについては話しますので。」
エルヴィン「ふむ・・・。・・・分かった。
君が人類の敵か味方かは保留としておこう。
一先ず今は、あの巨人について聞かせてくれ。」
よし・・・!とりあえず保留にはできた。
さて、話すとしても、何処まで話していいのやら・・・。
知っていることは少ないが、そこから導き出せるような有意義な情報も
話さないといけないし・・・。
(ここまで考えるのにかかった時間・・・、なんと1秒!
まぁ、思考加速を使っているから、当たり前なんだけどね。)
ヒョウ「分かりました。
あの巨人は、『異形の巨人』という奇行種の亜種のようなものです。
通常種や奇行種と違い、明確な殺意と行動意志、知性を持ちます。
その証拠に、ここに来る前に、自分を攻撃してきた兵士を肩で潰したり、
ワイヤーを掴んで、引き寄せた後握りつぶしたりして殺しました。
このように『異形の巨人』には知性がある上、複数の種類があり、
今目の前に居る女型、5年前シガンシナ外扉を破壊した超大型、
内門を破壊した鎧、全身が体毛に覆われた他より少し大きい獣、
3~4m級の顎、四速歩行の車力と私が知ってるだけでも
6種類あり、超大型以外それぞれ5体ずつ、亜種が居ます。
そして、超大型以外の異形には、他の巨人を叫びをあげることで
呼び寄せるという特殊能力があります。
もし、巨人が付近に居なくても、巨人達が必ずやってくるのです。
そんな能力がある上に、あいつらは倒しても、
別のところで何処からとも無く出現し、何度殺しても、必ず復活します。
それこそ内地でも。」
エルヴィン「!?つまり・・・、
もし、巨人達や壁内の人類を滅ぼそうとする敵を一掃したとしても、
『異形の巨人』を完全に滅ぼす方法を見つけ、
それを実行しなければ、巨人による人類滅亡は避けられないと?」
さすがエルヴィン団長。
すぐに理解したうえで、結果どうなるかまで見据えてる。
ヒョウ「はい、そういう事になります。
そして、『異形の巨人』の正体についてですが・・・、
今まで遭遇してきた多くの『異形の巨人』は、そこまで余裕が
無かったもんですから、捕獲せずに、全て1人で殺していたので、
私にはまったく分かりません。
ですが、私は、何らかの因子で『異形の巨人』が発生するのではないか。
そう考えています。
まぁ、私の仮説ですから、真実は分かりませんが。
私が知っているのは以上です。」
・・・前世のゲームの知識を引っ張り出してきて、
即効で立てた仮説だが、結構的を得てるんじゃないかな?
捕獲する余裕はあったけど、実験とかはあのゲームはできなかったし。
まぁ、この仮説も大事なところをぼかして話してるけどね。
大事なところって言うのは、何らかの因子ってところ。
たぶん、知性巨人。つまるところ超大型や進撃、鎧等の『9つの巨人』が
巨人化したときに発生するって言うのが私の仮説だからなぁ。
ゲームでは『異形の巨人』も、『9つの巨人』と同じ特徴を持ってるし。
異形の獣なら長い手足や大きさ。異形の鎧なら硬質化や鈍足さ。
この目の前の異形の女型を見るに、この世界の異形もそうだろうね。
アニと同じように硬質化ができるし、同じ技術を使っていたし。
おそらく、巨人を呼ぶこともできるだろう。
・・・あれ?確か、アニは原作で・・・。
エルヴィン「!・・・なるほど。ありがとう。
君が人類の敵か否か・・・。私個人は味方だと信じることにするよ。
もし敵ならば、ここまで情報を与えることはおかしいからね。
・・・それに、目の前の巨人と同じ巨人達やその亜種達を
1人で屠り散らかしてきた君と敵対は避けるべきだろう。
・・・さて、リヴァイ。頼んだ。」
今と同じ状態で叫んで巨人を呼び出した。
リヴァイ「ああ。さて、あいつの正体はなんなのか・・・。
調べようじゃねぇか。」
ならば、この状態で巨人を呼べるんじゃ・・・。
そう思った瞬間、
異形(女型)「ッ!キャアアァァァァァァァァッ!」
異形が叫びだした。
エルヴィン「!総員!警戒せよ!巨人が来るぞ!」
団長がすかさず指示を出す。
ダダダ・・・・・・
ミケ「エルヴィン、匂うぞ!
全方位から多数、同時に巨人が来ている。」
エルヴィン「!?全方位・・・。」
やっぱりか・・・。
予想は正解。こっちに大量の巨人が押し寄せてきてやがる・・・。
しかも、何故か嫌な予感のオマケつき。
こういうときの俺の勘って、よく当たるんだよなぁ・・・。
リヴァイ「チッ!やりやがったな・・・!」
そういって、兵長は立体機動で巨人の項を削いでいく。
俺も援護しないと・・・なッ!
リヴァイ「あぁ・・・?」
何かがこちらに近づいてくる音を聞き取り、兵長がそちらを向くと、
ヒョウ「・・・ちょっ、まっ、おい・・・。冗談だろ・・・?」
異形(女型)2「キャアァァァッ!」
もう一体の異形の女型がこちらに走ってくる。
おそらく、捕まっている異形の女型を囮にして、捕まった異形が
呼んだ巨人達と自身の攻撃で俺達を殺そうとしてるんだろうけどねぇ・・・。
・・・ふざけんなよ・・・。
エルヴィン「!総員!戦闘開始!捕獲した巨人を死守せよ!」
その指示を皮切りに、調査兵たちは一斉に動き出し、巨人の項を削いでいく。
しかし、巨人の項を削げたあと、調査兵たちは異形の女型に蹴り殺されていく。
ヒョウ「!・・・クッ!やってやる!やってやるッ!やってやるよッ!
もうこれ以上、被害を広がらせてたまるか!」
俺は立体機動で捕まっていない異形の女型のところに行く。
異形(女型)2「!」ブンッ
異形の女型は俺が近づいてきたことに気付き、硬質化させた腕での攻撃をする。
俺はそれを避け、上腕部分をブレードで切り裂く。
異形(女型)2「!?」
俺は続けて脚を切り裂こうとするが、ブレードがボロボロな事に気付き、
一度退いて、ブレードを換装する。
ヒョウ「チッ。」
やばい・・・。部位一個にブレード一本消費するなら、
時間が経てば経つ、または部位破壊するほどこちらが不利か・・・。
・・・クッ、技術が足りない・・・。もうちょっと力加減を学ぶべきだった。
どうする?『学習者マナブモノ』じゃ、技術をすぐは学べない・・・。
AUサンズ達を呼びたいけど・・・、この状況だ。いかんせん人目につく。
絶体絶命だね・・・。・・・でも、ここで諦めちゃいけない。
ケツイを抱け。できるできないじゃない。やるんだ。
私ならできる。栄おばあちゃんも言ってた。
俺ならできる。私ならできる。やってやる・・・!
《確認しました。
ユニークスキル『学習者マナブモノ』に新たな権能を追加・・・成功しました。
『技術スキル習得』の任意使用が可能になりました。》
?『技術スキル習得』・・・ね。ひとまず・・・、『学習者マナブモノ』で解析してっと・・・。
・・・!なるほど・・・・。
どうやら、『技術スキル習得』は、自身の選択したスキル、または技術アーツを入手し、
使うことができるようになる権能のようだ。
今、入手可能なスキル、技術アーツは・・・、
『自由の翼』、『討伐手当』、『回転斬り』、『斬術の極意』、『心機一転 』、
『捧げる者』、『結束の力』、『天賦のタクティクス』、『急降下攻撃』、ect・・・
と、結構見覚えのあるものばかりだった。
・・・全部、Final Battleのスキルじゃないか・・・。
しかも、技術アーツ一個もない・・・。
まぁ、その代わり、『斬術の極意』や『自由の翼』、『回転斬り』等の
強力な攻撃、補助スキルを手に入れられるみたいだから別にいいけど・・・。
ちなみに、このスキル等は理解、および使い続けることで性能を増していく。
使い続けることはこれからに期待ってコトにして、
理解することは、『学習者マナブモノ』があるから簡単だ。
というか、もう解析は終わったし。
・・・というか、これだけのスキルを簡単に入手できるわけない・・・。
たぶん、何らかの代償か制限があってもおかしくないんだけど・・・。
・・・って、あ!・・・これ、スキルポイントの概念がある・・・。
元々、俺が付けられるスキルの制限があるってコトかよ・・・。
そりゃそうか・・・。
さてさて、俺のレベルは54。持ってるスキルポイントは100。
という事は・・・、『斬術の極意』、『自由の翼』、『回転斬り』は付けられる。
この3つをつけても、あと13残るから・・・、
『急降下攻撃』と『空中ガス交換』、『人馬一体』をつけてっと。
よし、これであの異形の女型と同等以上に戦えるだろう。
さて、やるか。
ヒョウ「ッ!ラァッ!」ザシュッ
新しい権能を使いつつ、立体機動でひとまず周りの巨人を片付ける。
異形の女型と戦っている最中に巨人に捕まれて死にましたなんてのは嫌だからね。
丁度良いし、『自由の翼』を使ってみる。
ヒョウ「!おぉ・・・。楽に倒せるな・・・。」
この『自由の翼』を使うときのイメージは連撃。
一度攻撃した後、一気に戻り、もう一度斬撃を浴びせる。
その1セットを3回繰り返す。
そんな感じでやれば成功する。
ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!
これで、周りに居た巨人は掃討完了。
捕獲した方は兵長たちに任せて、俺は目の前の異形の女型に集中する。
異形(女型)2「ッ!」
異形の女型に攻撃を仕掛けようとするが、異形の女型はそれを察知し、
バックステップしながら硬質化した足で蹴りを放ってくる。
俺はそれを避け、再生した上腕を『急降下攻撃』と『回転斬り』を併用して、
もう一度攻撃する。
その上、『斬撃の極意』で攻撃力も上がっているため、威力はお察しの通り。
桁違いに高い。
そこからさらに『自由の翼』での6連攻撃。
簡単に左右の上腕を切り落とせた。
異形(女型)2「!?ッ!」
目の前の異形の女型は、自身の両腕が切り落とされたことに気付き、
大きく飛び上がり、硬質化した足で地面に急降下して衝撃波をはなつ。
俺はそれをされる前に異形の女型の頭にアンカーを刺していたため、
一切のダメージを受けなかった。
ので、硬直もなしにすぐに動けるというわけだ。
俺は急降下した反動で動けなくなっている異形の女型の脚に
上腕を切り落としたのと同じ攻撃をする。
結果、見事脚を使えなくすることに成功した。
異形(女型)2「!?!?」
硬直直後を狙われたからか、異形の女型は自身の脚が使い物に
なら無くなったことを理解しきれてないようだ。
俺はその隙をつき、
ヒョウ「・・・じゃあな。またいつか。」
ザシュッ
異形の女型の項を削ぎ、絶命させた。
と、同時に
エルヴィン「ッ!・・・総員、撤退!!
森の西側に集結し陣形を再展開!カラネス区に帰還せよ!」
という、エルヴィン団長からの撤退命令が聞こえた。
ヒョウ(撤退って事は・・・、捕獲した異形は・・・。)
案の定、捕獲した異形の女型は他の巨人に群がられていた。
・・・ふむ。異形の女型は、どうやらアニと同じのようだ。
にしても・・・、ふぅ。ギリギリ殺せてよかった・・・。
これで、『自由の翼』や『急降下攻撃』も多少は使えるようになったし、
良い経験になったな。
・・・相当、兵士が死んだだろうけど。
リヴァイ「おい、ヒョウ。そっちの異形は倒したみてぇだな。
補給を済ませて、俺の班と合流するぞ。」
ヒョウ「!はい、了解です。」
さて、ハチマンやリヴァイ班の方々は無事かな?
今、異形の女型を殺したから、ハチマン達のほうには居ないと思うけど・・・。
嫌な予感が続いてる・・・。
早く向かったほうがよさそうだな。
・・・そういや、体が異常なほど軽い。
前世とは違う体だからかな?
ハチマンside
さて、あの『異形』と呼ばれた巨人から離れたのはいいものの、
撤退は何時するんだろうか・・・。
ヒョウもついていったし、あの巨人についても分からないし・・・。
ペトラ「ハチマン?」
ハチマン「!」
おっと、思考の渦に入りかけてたみたいだ。
危ない危ない・・・。
ハチマン「すいません。どうしました?」
ペトラ「?ううん、違うのよ。ボーっとしていたから大丈夫かなって。」
ハチマン「あっ、心配かけてすみません。」
ペトラ「謝ることじゃないわよ。ただ、今は作戦行動中。
その上、立体機動の最中だから。気をつけてね?」
ハチマン「ええ。」
・・・うん、いい先輩だな。
普段、同期以外に陰口言われてる俺のこともちゃんと心配してくれるし。
その上美人だし。
ペトラ「/////そ、そんなに見つめないでほしいんだけど・・・。」
ハチマン「あっ、すみません。」
やっべぇ・・・。見すぎた。
エルド「おい、ペトラ、ハチマン!イチャつくのは帰還してからにしろ!」
ペトラ「!イ、イチャイチャなんてしてないわよ!」
ハチマン「いやいや、イチャイチャなんてしてませんよ。
第一、ペトラさんみたいな美人な人と俺みたいな腐り目が
イチャイチャしてるなんてありえませんし。」
そうだよな。おかしいよな。
・・・自分で言ってて悲しくなってくるなぁ・・・。
ガスター『なら言わなければいいだろう?
それに、客観的に見れば、君は充分良い男だと思うが?』
いや、お世辞はいいから・・・。
ガスター『はぁ・・・。君は自己評価が低すぎるな・・・。
その癖して、人一倍責任感が強く、奇想天外な発想を持つ。
実に・・・、興味深い友人ニンゲンだよ。君は。』
なんか、呆れと誇らしさを感じるんだが・・・。
ペトラ「/////な、何言ってるの、ハチマン!
び、美人なんて・・・、そんな・・・。」ゴニョゴニョ
ペトラ(た、確かに、ハチマンはカッコイイし、優しいし、強いし、
一緒に居て楽しいけれど・・・、年下だし・・・、
・・・あ、でも・・・、こんな子と家庭を持てたら・・・。)
ペトラ「・・・。」プシュ~
ハチマン「ラルさん!?」
何か急に倒れたんだけどォッ!?
ペトラ「・・・はっ!ハチマン!」
ハチマン「はいッ!」
ペトラ「これからは私のことを名前で呼ぶこと!それと敬語もなし!いい?」
ハチマン「え、さすがにそれh「いい?」Yes! I am!」
こ、こえぇ・・・。
ペトラ「なら、よろしくね!ハチマン。」
ハチマン「は、は「ん?」アア、ワカッタヨ。ペトラ。」
ペトラ「よろしい。」
もはや脅しだな。これ。
まぁ、別にいいが。
こんなの、前世の奴らあいつらと比べたら、百万倍マシだし。
それに、こんな年上の美人に名前呼びを許して貰えるなんて滅多にないだろうし。
エレン「はぁ・・・。」
オルオ「しゃきっとしろ、ガキ。」
エレン「無理ですよ・・・。
ハチマンは鈍感だし、ヒョウはそれを見るのを楽しんでる節があるし。
アルミンと同じくらい胃がキリキリする・・・。」
エルド「ははは。確かに、あの2人を見ていたらそうなるな。
時々呆れることがあれば、褒められるところも見つかる。
胃がキリキリすることについては分からんが・・・、
まぁ、仲が良いのはいいことだと思うぞ?」
エレン「まぁ、それは分かってます。あの2人は、良いヤツですよ。
俺と友のように接し、子のように大切にしてくれる。
あの2人が死なないように、できることをやらなくっちゃって
思うんですが、なかなかうまくいかない・・・。
というか、あの2人が死ぬところなんて想像出来ない・・・。」
グンタ「・・・まぁ、そうだな。
あの2人、病気ですらものともしないくらい丈夫そうだからな。」
オルオ「認めたくはないが・・・、あいつらは俺よりも強い。
討伐数的にも、戦力的にもな。
戦闘では、必ずって言っていいほど生き残るだろうしな。」
エルド「もう、寿命以外で死なないんじゃないか?」
グンタ「フッ。それはありそうだな。」
オルオ「逆に、あいつらが寿命以外で死にそうな要素があるか?」
3人「「「・・・。」」」
グンタ「ないな。」
エレン「あったとしても、それを全てはじき返しそう。」
エルド「むしろ、死んでも蘇りそう。」
オルオ「だよな。」
4人「「「「はっはっはっは。」」」」
なんだろう・・・。不名誉なことを言われている気がする。
・・・なんだ?急に嫌な予感がしてきた・・・。
ダッダッダ・・・
何かがこちらに走ってきているようだ。
まさか・・・、捕獲した『異形』か?
・・・分からないな・・・。
ガスター『そういう時は、報連相だ。
同じ班の班員にそのことについて話すと良い。
たとえ、それが確実性の無いものだったとしても、
警戒するには充分に値する。』
なるほど・・・。ありがとな、ガスター。
ハチマン「ジンさん。後ろから、何かが近づいてきているようです。」
エルド「!そうか。・・・捕獲した女型か?」
ハチマン「その可能性が高いと思います。
まぁ、もしこれが誤認だったとしても、
付近の警戒は必要だと思います。」
エルド「そうだな。もう少し速くに移動した方がよさそうだ。
それと、ハチマン。俺のことも名前で呼んでくれ。
さすがに苗字で呼ばれると違和感がある。」
えぇ・・・。この世界の住民、コミュ力高いな・・・。
ハチマン「・・・分かりました、エルドさん。」
エルド「それでいい。」
ダッダッダ・・・
さっきよりも足音が大きく聞こえる。
・・・眼鏡かけて見てみるか。
ハチマン「・・・!巨人補足!後方から女型の巨人接近中!」
エルド「!全員、エレンを守れ!」
ハチマン「!来た・・・!」
来たか・・・。狙いはやっぱりエレンだな。
異形(女型)3「・・・。」ダッダッダ・・・
・・・?捕獲したのと違う個体か?
髪や肌の色や髪の形が違う気が・・・。
エルド「俺たち4人で目の前の巨人を仕留める!
お前たちはこのまま全速力で本部に向かえ!!」
!・・・そうしたほうがいいのか?だが・・・、
ガスター『いや、エレン・イェーガーに巨人となってもらい、
全員で攻撃する方が勝率も生存率も高くなるだろう。』
やっぱりか・・・。
エレン「!俺も戦います!」
エルド「ダメだ!これが最善策だ!お前の力はリスクが大きすぎる!」
最善策ね・・・。相手は、こちらの常識が通用しない巨人・・・。
最善策にこだわっていては、待つのは死のみ・・・。
ハチマン「エルドさん。俺たちも戦います。」
エルド「!だから、d「相手はこちらの予想を上回る巨人です。
何時までも最善策にこだわっていれば、待っているのは死です。」!」
ハチマン「エレンにここで巨人になってもらい、全員で仕留めにかかるほうが
勝率も生存率も高くなります。」
グンタ「だが、もしエレンが暴走しだしたらどうする!?
その場合、俺たちはエレンを殺さなくちゃいけない。」
そうだ・・・。だが、
ハチマン「ここで賭けなければ、俺たちは全員、ここで死にます。
エレンが力を使いこなせるという事に賭けましょう!」
ペトラ「・・・そうね、賭けましょう。
エレンが巨人の力を使いこなせることに。」
オルオ「なっ、ペトラ!本気か!?」
ペトラ「本気も何も、今は賭けるべき時だと思うわ。
それに、ハチマンがここまで言うって事は、
本気でそう思っていることじゃないかしら?
たった一ヶ月の間だけれど、この子が虚言を吐いたことがあった?」
・・・。
グンタ「・・・いや、無いな。」
ペトラ「なら、信じましょう?
私たちは、あなたとエレンに賭けるわ。」
・・・本当、いい先輩だな。
エルド「・・・はぁ、仕方ない。エレン!
巨人化の仕方は理解してるな?」
エレン「!はい!」
エルド「よし。・・・ハチマン。援護は俺に任せろ。
お前はエレンと一緒に女型を叩け!」
ハチマン「了解。」
エルド「さぁ、やるぞ!」
その合図と共に、エレンは少し離れたところで巨人になる。
エレン巨人「ウ”ウ”ゥ”ゥ”オ”オ”オ”オ”ォ”ォ”ォ”ッ!!」
エルド「よし、作戦開始だ!」
さて、やるか!
ガスター、補助を。
ガスター『ああ。』
後から聞いた話だが、そのときの俺の目は、
左目が青と黄に、右が紫に輝いていたらしい。
まぁ、いいか。それは今は関係ない。
エレン巨人「ウ”ウ”ゥ”ゥ”ォ”オ”オ”ォ”ォ”ッ!」
エレンが大声を出しながら女型に拳を撃ちつける。
しかし、女型はそれを何かで覆った右手でガードし、
エレンにカウンターを入れようとする。
そのタイミングで俺は、ブラスターを撃つ。
シュゥッ・・・パァァァァ!
異形(女型)3「!」
女型はエレンに集中していたからか、ブラスターを諸に喰らった。
結果、右前腕の筋肉がほとんど消滅し、骨だけとなっていた。
つまり、右腕が使えなくなったという事。
エルド「今だ!」
その合図で、オルオさんとペトラが空中から一気に降下。
女型の両上腕を切り裂いた。
続けて、グンタさんとエルドさんが太もも辺りを切り裂く。
異形(女型)3「!?」
女型が驚いている隙に、俺はSAAを取り出し、女型の両目に向かって
2発ずつ撃つ。
異形(女型)3「!ギ”ャ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ!!」
グンタ「グッ・・・。」
うるさっ!
エルド「グッ、全員!一度退け!」
叫び声の中での指示により、エレン以外が全員木の上に避難する。
エレンはその木の下まで後退した。
オルオ「おい、どうする!あと少しってところで叫ばれて、
再生されるんなら、拉致があかねぇぞ!」
女型を見ながらオルオさんがそういう。
どうやら女型は、もう再生を始めていて、片目だけ再生しきっているようだ。
しかし、太ももの筋肉を削がれたからか、身動きがとれずにいる。
グンタ「エレンに女型を惹き付けて、その上で俺たち4人が奇襲を仕掛ける。
その上でハチマンにさっきの良く分からん攻撃をしてもらえば、
仕留めることは可能じゃないか?」
・・・なるほど。
ちゃんと見てるな。
エルド「・・・そうだな。
このまま戦い続けてもこっちが不利だ。
なら賭けに出て、早く蹴りをつけるほうがいい。」
ペトラ「そうね。エレン!頼める?」
エレン巨人「・・・。」コク
良いみたいだな。
ハチマン「なら、やりましょう。」
相手さんも、丁度両太ももと片目の再生が終わったみたいだしな。
エルド「チャンスはおそらく一度きり!
失敗は許されん!やるぞ!」
その合図で、エレンが女型に攻撃を仕掛ける。
女型はそれを分かっていたのか、カウンターを仕掛けるつもりのようだ。
・・・!あの構えは!
異形(女型)3「・・・。」
女型は訓練兵時代にアニから教わった足技でエレンを攻撃する。
エレンはその技に見覚えがあったからか、隙を見せていた。
女型はこれでエレンを仕留めたと思っただろう。
しかし、
エレン巨人「ウ”オ”ォ”ォ”ォ”ォ”ッ!」
俺と一緒にヒョウから反射神経の鍛錬を積んでいたエレンには、
すぐに対応できる速さだった。
エレンは身をすぐに屈め、女型の腹にむかって拳を振るう。
異形(女型)3「!?」
エレンを仕留めたと思い、油断していたのだろう。
女型はエレンの一撃で思いっきり吹っ飛んだ。
その隙に先輩方が一気に近づき、奇襲をかける。
ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!
異形(女型)3「ッ!?」
頭が追いついていないのか、女型は一切動かなかった。
いや、動けなかったといった方がいいか。
先輩方に四肢の筋肉を削がれ、一切に身動きが取れなくなっている。
そこから近づいていくエレン。
相手からしたら恐怖ものだろう。
だが、お前を殺すのは目の前の敵エレンじゃない。
ハチマン「ッ!」ザシュッ!
シュッ・・・パァァァァ!
俺だ。
項を削いだ後、一応ブラスターを撃っておく。
これで、倒せただろう。
エルド「よし、一度離れるぞ。」
その指示でまたエレン以外は木の上に、エレンは木の下に移動する。
そして、女型の体が蒸発していくのを確認した。
・・・ちゃんと止めをさせていたようだ。
エルド「・・・よし、勝ったぞ!」
オルオ「ッ!よっしゃぁ!」
グンタ「ふぅ・・・。うまくいった。」
エレン「ぷはっ。はぁはぁ、やった!」
ハチマン「エレン!ナイスだ!」
よし、全員生存!誰も死んでないな。
ペトラ「やった!あなたのおかげよ、ハチマン!」
ハチマン「わぷっ。!?」
ちょ、ま、や、やわらかい・・・。
ハチマン「ちょ、は、離れて・・・。」
やめて!あなたのやわらかい上に意外に大きなたわわで俺の愚息が
起きちゃうから!
ペトラ「あっ、ご、ごめんね?」
ペトラはそう言いながら、離れてくれた。
ハチマン「い、いえ・・・、ただ、さっきみたいに抱き付かれるのに
慣れてないので、あまりやらないでもらえると助かります。」
ペトラ「分かったけど・・・、たまに抱きついて良いかしら?
それと敬語はやめてね?」
ゑ?
ハチマン「え?」
ペトラ「え?」
え?
ペトラ「・・・あっ!い、今のは忘れて!」
ハチマン「あ、ああ・・・。」
うん、忘れた方がよさそうだ。
エルド「イチャイチャしてる場合じゃないぞ!
早くリヴァイ兵長と合流して、本隊に戻る!」
エレン「了解!」
たぶん退却だな。
帰るまでが遠足―――じゃなくて、帰るまでが壁外調査だし、
油断は禁物だな。
そう思ったが、途中ヒョウと脚に軽度の負傷をした兵長と合流し、
無事に本隊に戻ることができた。
馬に乗って壁内に向かう途中、ヒョウに兵長が負傷している理由を聞くと、
どうやらこちらに向かう途中、あの異形(兵長と団長に話したことも
話してもらった。)の仲間に遭遇し、苦戦の末何とか倒したのだが、
その際、脚を挫いたらしい。
そのため、しばらく兵長は戦闘等を行えない。
しかも、本来の『鎧か超大型、または協力する内通者の正体を暴く。』
という目的も達成できず、多くの熟練兵士と大量の資材を損失。
そして、『人類最強の兵士』と呼び名の高いリヴァイ兵長が負傷。
これらの要素は、調査兵団の支持母体を失墜させるのには充分であったようで、
エルヴィン団長を含む責任者が王都に招集されると同時に、
エレンの引き渡しが決まった。
壁外調査帰ってきて、団長たちが王都へ招集される少し前。
俺たちーーーエレン、ミカサ、アルミン、ジャン、ヒョウ、俺の6人は
団長たちに呼びだされた。
そして、壁内に潜んでいるであろう内通者を捕獲する作戦を伝えられた。
そのときの俺は知らなかった。
この作戦が、壁内人類を守る壁とそれを信仰する宗教の秘密を知ることになる
きっかけになることを。
そして、俺は見ていなかった。
作戦時と作戦後のヒョウの表情を。
その時のヒョウは苦悶と憤怒、そして少しの狂気を含む表情をしていたことを。
俺は気付けなかったのだ。
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