イベリス
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第九十三話 お弁当を食べてからその三
「いいわね」
「親子ってお酒も遺伝するの」
「するわよ」
「食べものや飲みものの好みはね」
「そうなの」
「人って自分の好きな味でお料理するでしょ」
母は言った。
「何でも」
「それはね」
咲も言われるとだった。
「私だってね」
「そうでしょ」
「インスタントラーメンだって」
これも作るとだった。
「卵入れたくなるわ」
「カップ麺でも袋でもよね」
「チキンラーメンでもね」
それこそ何でもというのだ。
「入れたくなるわ」
「逆に入れないとよね」
「何かね」
これがというのだ。
「どうもね」
「残念って思えるわね」
「どうしてもね」
「これはね」
それこそとだ、母は咲に話した。
「お母さんもお父さんもだったのよ」
「そうなの」
「交際してわかったのよ」
二人の娘である咲に笑顔で話した。
「このことがね」
「お父さんもお母さんも?」
「インスタントラーメンを食べるなら」
その時はというのだ。
「出来たらね」
「卵を入れるのね」
「カップ麺でも袋麺でもね」
そこは関係なくというのだ。
「本当にね」
「卵をなのね」
「お湯をかける前に入れて」
そうしてというのだ。
「そこからお湯を入れたり火をかけて」
「熱して」
「茹でたか半分にしてよ」
入れた卵の黄身をというのだ。
「食べるのがね」
「好きでしょ」
「半分っていうのは半熟で」
そちらでというのだ。
「兎に角インスタントラーメンにはね」
「卵を入れるわね」
「茹ではじめたりお湯を入れた時に」
「そうしてよね」
「熱して」
その生卵をというのだ。
「固くするわ、それがね」
「あんたも好きね」
「ええ、出来てから生卵を入れるんじゃなくて」
「それは月見ね」
「月見にするよりも」
咲としてはというのだ。
「最初に入れて固くする」
「それお父さんもお母さんもだから」
「親の影響ね」
「まさにね、あとね」
咲はさらに言った。
「袋麺だと塩ラーメンいいわよね」
「お母さんも好きよ、お父さんもね」
「そうよね」
「あとワンタン麺も」
こちらの袋麺もというのだ。
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