新オズのカボチャ頭のジャック
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第五幕その三
「わしは酔い潰れるわ」
「そうですな、しかしそれでようございます」
平手さんは信長さんに笑ってお話しました。
「大酒は毒になりますからな」
「外の世界ではよお言われておったのう」
「殿が飲まれぬならです」
「それに越したことはないな」
「オズの国においても」
「そうであるな、だからな」
それでというのです。
「わしはこれからも酒はな」
「飲まれませぬな」
「他のことを楽しむぞ」
「さすれば」
「そして今日はな」
信長さんはこうも言いました。
「天主の最上階に上がってじゃ」
「そこからだね」
「景色を眺めるんだね」
「左様、昼はそうしてな」
かかしと樵に答えます。
「夜はライトアップじゃ」
「天主閣をだね」
「そうするんだね」
「いや、天主だけでなくな」
それだけでなくというのです。
「城全体をそうして気球でも使って少し離れたところからじゃ」
「観るんだね」
「今夜はそうするんだ」
「そうしようぞ」
「実はです」
ここで今度は前田さんが言ってきました。
「殿は外の世界でもそうしておられます」
「というと?」
「安土城の天主を提灯で飾って」
ガンプに答えます。
「そして夜に照らしたのです」
「安土桃山時代のライトアップだね」
「それをされました」
「あれは大成功であったのう」
信長さんはまた笑って言いました。
「それで今宵もじゃ」
「ライトアップをするんだ」
「今は電灯を使ってな」
そうしてというのです。
「その様にするぞ」
「信長さんって昔にそうしたことを思いついてなんだ」
「していたぞ」
「それも凄いね」
「そうであるか、では今日は映画も観るか」
信長さんはこちらもと言いました。
「わしを扱ったな」
「あの、殿」
ここで長方形の逞しい感じの人が言ってきました。
「我等の武芸もです」
「見せたいか」
「槍や馬の」
「ふむ、よいのう」
信長さんはその人の言葉に頷きました。
「では内蔵助、お主とじゃ」
「はい」
「鎮吉、お主もじゃ」
今度は細面で長身の人に言いました。
「剣舞をやってみよ」
「はい、それでは」
「その様に」
「この人達は誰かな」
ジャックは名前を呼ばれたお二人を見て言いました。
「一体」
「それがしの名は佐々内蔵助、諱を成政という」
「拙者は川尻秀隆、諱を鎮吉という」
お二人はそれぞれジャックに答えました。
「共に今も殿にお仕えしておる」
「宜しくな」
「九郎、お主は馬じゃな」
信長さんは穏やかな顔の人にも言いました」
「よいな」
「それではこの原田九郎直政必ずや」
「他の者もそれぞれな」
こう言うのでした。
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