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ハッピークローバー

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第七十一話 陸軍と海軍その十三

「あまり変わらなかったのね」
「昔のマスコミってね」
「それで知識人は」
「そうだったのね」
「そんな考えと行動の人達多かったのね」
「そうなるわね」
「あのね」
 ここでまたハンガリーの娘が言ってきた。
「それで我が国のひいお祖父ちゃんやひいお祖母ちゃんが必死に立ち上がった」
「ハンガリー動乱ね」
「それを百姓国とか言って罵るとか」
「ふざけるなよね」
「言った奴が生きていたら」
 それこそというのだ。
「カチコミかけたいわ」
「そこまで怒ってるのね」
「怒るわよ」
 当然という言葉だった。
「もう一回言ってみろとかね」
「思うのね」
「それ位ね」
 まさにというのだ。
「ハンガリー人としては許せないわ」
「生きていたらハンガリーの人達に突き出されていたかもね」
「そうしてくれた?」
「いや、人間以下の発言だから」
 最早とだ、留奈は言い切った。
「それってね」
「必死の思いで立ち上がった人に対してっていうのね」
「そんなのが大手振って歩いていたのよね」
「昔の日本は」
「戦争が終わって」
 第二次世界大戦がというのだ。
「そんなのばかりになったみたいね」
「知識人は」
「昔からそうだったって意見もあるけれど」
 戦前からマスコミの質は悪かった、昭和帝も何故日本のマスコミはここまで質が悪いのかと若い頃に言われたという。
「大学の先生が特にね」
「そんなのばかりになったの」
「もうソ連が絶対で」
「ソ連のやることならなのね」
「赤旗振ってたら」
 即ち共産主義であるならだ。
「何でもいいってね」
「そんな風だったの」
「それでね」
 その為にというのだ。
「そんなこと平気で言う奴がよ」
「堂々といていられたのね」
「先生先生と持て囃されてね」
 そうして東大教授から法大総長になったのだ、大内兵衛はその経歴だけ見れば実に立派なものである。
「勲章も貰ってたのよ」
「酷かったのね、昔の日本って」
「それで今もね」
「そんな連中が残ってるのね」
「流石に減ったけれどね」
 それもかなりである。
「けれどね」
「残ってることは残ってるのね」
「そうなのよ」
 これがというのだ。
「残念なことにね」
「本当に残念ね」
「そうでしょ、ずっと言うこと変わらないから」
「全く勉強しないのね」
「世の中も見なくて反省もしなくて」
 そうしてとだ、留奈は話した。
「そのままなのよ、お爺さんお婆さんになっても」
「人間そうはなりたくないわね」
 ハンガリーから来た娘も思った。
「絶対に」
「そう思うでしょ」
「聞いてるだけでね」
「私もそう思うわ、こんな人達よりもね」
「災害の時は真っ先に働いてくれるし」
「沢山の人を助けてくれるしね」
「日本と国民を護ってくれるから」
「自衛隊の人達の方がいいわ」
 留奈は心から言った。 
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