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仮面ライダー龍騎 夢に向かえ

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第二章

「奴と戦う為には。彼の心もまた」
「ええ」
 青年も頷く。
「全てのライダー達の力を集め」
「それを一つにする」
「それが整った時ですよね」
 女も述べた。
「本当の戦いがはじまるのは」
「その通りだ。既に彼等はわかっている」
「これまでの戦士達は」
「そう、改造人間となった者達は」
 髑髏の声が遠くを見るものになっていた。
「わかっている。だからこそ動いている」
「だから我々もまた」
「動くのだ。いいな」
「はい」
「それじゃあ私達はまたお仕事ですね」
「そろそろ出してくる」
 髑髏は目を光らせていた。その何もない二つの空洞は何も語らない。だが額のその宝玉が光るのであった。それこそが彼の目であるようであった。
「鏡から」
「ではその鏡の中で戦ってきた戦士達を」
「頼むぞ」
「わかりました」
 こうして彼等の話は終わった。また戦士達が目覚めようとしていた。何かと戦う為の運命の戦士が。

 ある立派な応接室。そこで三人の男が話をしていた。
「それでですね」
 若い調子のよさそうな男が端整な中年の男に対して何かを語っていた。
「ここはこれでどうでしょうか」
「いや」
 しかし中年の男は首を縦には振らなかった。
「それではどうにも」
 そう言って断る。傲慢な声であった。
「話にはなりませんな」
「いえ、それはないでしょう」
 しかし若い男もここで引かない。
「こちらとしては充分な条件だと思いますが」
「残念ですがこちらではそうはいかないのです」
 中年の男はそう述べて彼の言葉を否定してきた。
「おわかりでしょうか」
 そして胸を張ってきた。やはり不遜な態度であった。
「わかるもわからないも」
 若い男はそれにまた言い返す。
「条件はこうではなかったですか」
「事情が変わったのですよ」
「事情が!?」
「そうです。ですからこちらとしましても」
「引けないと」
「約束を反故にされるというのですね」
 若い男はそう言って彼を睨んできた。
「それでしたらこちらも」
「佐野さん」
 だが男は若い男を逆に睨み返してきた。
「うっ」
 その男佐野満は男のその高圧的な声と目に思わず気圧された。しかし何とか堪えて言葉を返した。
「何でしょうか」
「誰がそんなことを言いましたか」
「しかしですね」
 佐野は反撃に出て来た。
「こちらとしましてもそれでは収益が見込めないのですよ」
「それはこちらもです」
 男もそう返す。
「何を言われましても」
「まあまあ高見沢さん」
 ここで佐野の横にいた若い背の高い男が出て来た。胸に弁護士バッジがある。
「ここは抑えられて」
「北岡さん」
「どうです?もういい時間ですし一旦休憩ということで」
「休憩ですか」
「そうです。ビジネスの話はまた後で。まずは食事を」
「そうですな」
 中年の男高見沢逸郎は弁護士北岡秀一の言葉に頷くことにした。
「このまま話していても煮詰まるだけですし」
「そうです。まあ仲良く食事でもして雰囲気を和らげて」
「ですな。では佐野さん」
「はい」
 佐野は高見沢の言葉に応えた。
「そういうことで。お話はまた後で」
「そうですね。一旦休憩といきましょう」
「わかりました。それでは」
 北岡が二人の間に入ってきた。そして言う。
「三人で食事に行きましょう。いいですね」
「わかりました」
「それでは」
 高見沢と佐野もそれに頷いた。こうして彼等は一旦応接室から出たのであった。
 
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