神々の塔
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第十話 英雄もまたその九
「そやけどな」
「うち等やと耐えられる」
「術が出るまでな」
「そやからここは」
「それでいくべきや」
「そうやね、ほな皆術を使おうな」
隕石の術をとだ、綾乃が言うとだった。
十人全員が隕石の術を使いにかかった、術が出るまでもだ。
ハールーン=アル=ラシードは強力な術を繰り出した、十人が術を出すまでは一瞬であったがその一瞬の間にだ。
神霊の数多くの攻撃が来た、だがその攻撃をだった。
十人は耐えた、そして隕石の術を放ち。
無数の隕石が英霊を襲った、これにはさしもの彼も防げず。
一旦姿を消した、それから即座に後ろに姿を表して言った。
「見事、褒めてつかわす」
「いや、結構以上にやられたわ」
トウェインは自分達のダメージの状況を確認して神霊に応えた。
「ほんまに」
「だが余に勝った」
「そのことは事実なんで」
「それでだ」
このことは事実でというのだ。
「褒めてつかわすのだ」
「そうしてくれるか」
「うむ、ではだ」
「これでやな」
「先に進むがいい」
上の階にというのだ。
「よいな」
「ほなな」
「いやあ、よくやったよ」
シンドバットも言ってきた、彼もまた十人と戦い倒されていたのだ。
「あんた達はな」
「シンドバットさんもそう言ってくれるか」
「勝ったからな」
だからだというのだ。
「それが何よりの証だよ」
「そうなんやな」
「それでだよ」
シンドバットはさらに言った。
「よくやったよ、じゃあじっくり休んで」
「それからやな」
「先に行きな、そしてな」
「そして?」
「あんた達の健闘を祈るよ」
笑ってこうも言うのだった。
「これからのな」
「そうしてくれるんやな」
「ああ、楽しい冒険になることをな」
まさにそれをというのだ。
「おいらがそうしてきたみたいに」
「ああ、あんたもな」
「いつもな」
「してきたんやったな」
「冒険をしてな」
そうしてとだ、シンドバットはさらに話した。
「生きるか死ぬか」
「それでやな」
「結果として大儲けしてな」
「帰ってたな」
「そうさ、冒険はするものだよ」
まさにというのだ。
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