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ドリトル先生と山椒魚

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第三幕その九

「そしてボローニャ大学で取ったけれどね」
「イタリアの大学だよね」
「それもかなり広い」
「名門として知られてるね」
「今もね」
「その大学はじまって以来の秀才と言われて」  
 その頃です。
「やはりまずはね」
「神学を学んで」
「そこから哲学と法学を学んだ」
「そうしたね」
「そうだよ、そうしたからね」 
 その為にというのです。
「三つの博士号を取得出来たんだ」
「そうだよね」
「博士号一つ取るだけでも大変だけれど」
「それが何故出来たか」
「それはだね」
「そうだよ、欧州ではまず神学を学んだら」 
 そうすればというのです。
「理系だと医学をね」
「他の学問を学ぶことが楽になるわ」
「まずその二つが柱だから」
「そして先生はその二つをマスターしたから」
「それで多くの博士号も取得出来たんだよね」
「そうだね」
「うん、ただ日本の学問の体系は違うからね」
 先生達が今暮らしているこの国ではというのです。
「本当にね」
「そうそう、それがね」
「日本でわかってる人案外少ないんだよね」
「日本と欧州で学問の体系が違う」
「そのことがね」
「欧州の学問はまずキリスト教だよ」 
 この宗教の存在があるというのです。
「それ以前のギリシア、ローマ文化もあるけれど」
「そこから奥州ははじまってるけれど」
「それでもね」
「やっぱりキリスト教よね」
「この宗教があるね」
「そう、この宗教の存在が絶対と言ってもよくて」
 それでというのです。
「まさにだよ」
「そうだよね」
「学問も然りで」
「キリスト教がローマ帝国の国教になって」
「それからはね」
「学問の幹もキリスト教になったよ」
「芸術も」 
 こちらもというのです、勿論先生はこちらの造詣もかなりのものです。論文もしっかり書いています。
「そうだね」
「讃美歌もあるしね」
「パイプオルガンも教会にあるし」
「受難曲とかレクイエムもあって」
「宗教画もあるし」
「銅像だってね」
「偶像崇拝はどうかという意見もあるけれどね」
 キリスト教でもです。
「けれどカトリックではね」
「そしてプロテスタントでもね」
「宗教画もあって」
「主の絵も描かれているよ」
「十字架にもね」
「あるよ、だからね」
 それでというのです。
「芸術も然りだよ」
「キリスト教が幹にあるね」
「しっかりと」
「本当に欧州の学問はキリスト教だよ」
「それが根幹にあるよ」
「けれど日本は違うから」
 この国はというのです。 
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