X ーthe another storyー
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第十話 固絆その七
「人間や」
「そうなのね」
「そのことが話して一緒にお好み焼き食うてわかった」
遊人、彼とというのだ。
「ほんまな」
「人間同士の戦いね」
「まさにな」
「そうなのね、相手は人間ね」
「そう思うわ、しかしな」
「しかし?」
「戦うからにはな」
それならともだ、空汰は日本酒を真面目な顔で飲みつつ話した。
「命のやり取りをする」
「生きるか死ぬかの」
「最悪な」
「そうなるわね」
嵐も否定しなかった。
「私達の戦いは」
「そやさかいな」
「人間同士でなのね」
「生きるか死ぬか、難儀やけどな」
「そうか、地の龍も人間か」
封真はそう聞いて述べた。
「ならいいな」
「ええけど残念や」
空汰は封真に苦い顔で答えた。
「相手がバケモンやとな」
「気兼ねなく戦えるか」
「腐りきった外道とかな」
「そうした連中ならだな」
「もう躊躇なくだ」
そうしたものは一切なくというのだ。
「戦ってな」
「倒せるな」
「ああ、そやのにな」
「相手が人間だとか」
「当然戦うが」
天の龍としてというのだ。
「しかしな」
「それでもだな」
「やっぱり後味が悪いわ」
そうなるというのだ。
「それを受け入れるのも戦いやろけどな」
「仕方ありませんね」
征一狼はワインを飲みつつやや俯いて述べた。
「それは」
「やっぱりそうでっか」
「僕達はそうしたものを受け入れてもです」
「人間を護らなあかんな」
「そうです、何があろうとも」
戦いで苦いものを背負ってもというのだ。
「それでもです」
「それが天の龍の宿命やな」
「戦うなら傷付くことは避けられません」
どうしてもというのだ。
「身体だけでなく」
「心もまた」
「そうなることはです」
「避けられへんでっか」
「ですから」
戦いはそうしたものだからだというのだ。
「受け入れてです」
「やってくしかないですか」
「そうなるかと」
「そうですね、わいもわかってるんですが」
空汰は左手を自分の頭の後ろにやってやや俯き左目を残念そうに瞑ってからそのうえで征一狼に話した。
「言葉に出してしまいます」
「どうしてもですね」
「はい、わいのあかん癖性分ですわ」
「駄目とは思いません、それが現実なので」
「戦いのでっか」
「どんな戦いも、ですがその傷を乗り越え」
そうしてというのだ。
「前に進まなくてはです」
「あきませんか」
「戦うのならば」
「そうでっか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
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