恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十六話 戦士達、陣を破るのことその九
三人の時よりも弱くだ。今一つな感じだった。それを見てだ。
馬岱もだ。言うのだった。
「何か少し物足りないけれど」
「そうだな。だが、だ」
「うん、蒲公英達何でここにいるかな」
「それがわからない」
見れば馬岱と魏延はだ。その張梁と張宝の舞台の傍にいた。そしてそこにはだ。
何進と公孫賛、張梁と張宝と共にいる筈の彼女達もいた。その二人も言うのだった。
「何か話が少し違うのう」
「そうですね。何故我等もここに?」
「しかも劉備殿の姿が見えん」
「張角もだ」
二人がいぶかしんでいるとだ。不意にだった。
舞台の上からだ。張梁と張宝がこう言って来た。
「今日のあたし達は違うわよ!」
「ここで凄いことになるから」
こう言うのだった。
「そう、もう二人来るのよ!」
「それで四姉妹になるの」
「何っ、四姉妹だと?」
それを聞いてだ。まずは魏延が声をあげた。
「馬鹿な、あの姉妹は三人だけだった筈だ」
「そうよね。だから数え役萬三姉妹なのに」
馬岱も首を傾げさせる。
「それで何で四姉妹なの?」
「そんな話は聞いたこともないぞ」
二人には全く訳のわからない話だった。そしてだ。
何進もだ。驚いた顔で言うのだった。
「どういうことじゃ、四人じゃと!?」
「そんな。こんなことはです」
公孫賛も驚きを隠せない。
「今はじめて聞きました」
「ううむ、これは一体」
「どういうことでしょうか」
このことには誰もが驚いた。連合軍の面々も闇の面々もだ。
左慈もだ。本陣の中央において于吉に問うた。
「そんな話は聞いていたか」
「いえ」
于吉も今はいぶかしむ顔になっている。その顔で答えたのである。
「初耳です」
「そうだな。全く聞いたことがないな」
「あの三姉妹はずっと三人でしたから」
「生き別れの姉妹がいたのか?」
かなり真剣に考えて言う左慈だった。
「そうだったのか?」
「さて、それはわかりませんが」
「何者だ。それで」
「それはわかりません。しかしです」
それでもだとだ。ここでだ。
于吉はすぐに余裕のあるいつもの笑顔になってだ。こう左慈に言うのだった。
「この戦いに勝つことはこの状況でも容易です」
「そうだな。あの女を始末すればいいだけだからな」
「はい、劉備玄徳を」
まさにだ。彼女をだというのだ。
「あの娘の首を取ればいいだけですから」
「それを考えれば楽だな」
「まことに」
こう言ってだ。于吉は余裕を見せるのだった。
「それだけのことです」
「それで劉備は何処にいる?」
左慈は周りに問うた。
「この戦場にいるのは間違いないにしろだ」
「それがです」
「他の者達は確認できるのですが」
しかしだとだ。周りの白装束の者達が左慈に話す。
「劉備と張角はです」
「何処にも姿が見えません」
「あの二人がだと?」
そう聞いてだ。左慈はだ。
まずはいぶかしく顔になりだ。こう言うのだった。
「また替え玉を使ってくるというのか」
「ははは、だとすれば愚かなことですね」
左慈のその話を聞いてだ。于吉はだ。
軽く笑ってだ。こう述べたのだった。
「一度使った策は最早通じませんよ」
「その通りだな。まさかとは思うがな」
「それはないでしょう」
こう予想して言う于吉だった。
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