イベリス
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第九十一話 合宿打ち上げその六
「それだけでね」
「そうよね」
「やっぱり人間長生きしないとね」
「色々出来ないわよね」
「徳川家康さんだってね」
そのゲームで最も有名な人物の一人である彼はというと。
「長生きしたからよ」
「将軍様になれたのよね」
「天下取れたのよ」
「そうよね」
クラスメイトもそれはと応えた。
「何と言っても」
「それ見てもね」
「長生き大事よね」
「それなのに十年もって」
寿命が縮まることはというのだ。
「最悪よ」
「そう言うしかないわね」
「そうよね」
「つまり煙草はね」
「そこまで身体に悪いのね」
「だから最初からね」
それこそというのだ。
「もうね」
「吸わないことよね」
「それに越したことないわね」
こう咲に言った。
「お洒落でも大人でもなく」
「大人ね、煙草吸っても中身子供なら」
「一緒よね」
「よく昔の不良吸ってたけれど」
「定番だったわよね」
「そうした漫画でもね」
「屋上とか校舎裏で吸ってるのよね」
昭和そして平成前期の頃のそうした漫画ではよくあった光景である、変形学生服にリーゼントやパーマと並ぶ定番であった。
「そうなのよね」
「そうそう、それでね」
そのうえでというのだ。
「見付かってどうとかね」
「ああいうことしてもね」
「大人じゃないわよね」
「むしろ身体に悪いだけだから」
「何してんのってなるわよね」
「本当にね」
こう二人で話した、そしてだった。
咲は結論付ける様にだ、こうも言った。
「だからもうね」
「咲っちは吸わないのね」
「何があってもね」
「それがいいわね、煙草は」
「そうでしょ、身体に悪いから」
このことは間違いないというのだ。
「する筈ないわよ」
「お洒落とかで吸ってもね」
「身体に悪いならね」
「しないのね」
「お洒落になって身体にいいなら」
そうであるならというのだ。
「私もするけれど」
「身体に悪いなら」
「例え流行しててもお洒落になってもね」
「しないのね」
「私はね、ヒトラーはそのことは評価出来たわ」
煙草を吸わなかった彼はというのだ。
「色々酷い人だけれど」
「まさに極悪人よね」
「弾圧に粛清に虐殺にってね」
「無茶苦茶してたわね」
「そんな人だったけれど」
それでもというのだ。
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