イベリス
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第九十一話 合宿打ち上げその四
「私はね」
「だからよく寝てなの」
「身体にいいもの食べてね」
「水分もなのね」
「よく摂ってるの」
「そうなのね」
「ちょっと体調崩したら」
咲が自分で思っていることである。
「そうなったらね」
「そこから一気になのね」
「そうなるって思ってるから」
「普段からなのね」
「気をつけてるの」
こうクラスメイトに話した、クラスメイトは咲の隣の席に来て彼女が開いている雑誌を一緒に読みつつ話している。雑誌はアメリカ系の日本語に訳した週刊誌である。
「そうしてるの」
「慎重なのね」
「いや、私本当にね」
咲はクラスメイトにさらに話した。
「体力ないのよ」
「そんなになの」
「自分でわかってるから」
このことがというのだ。
「それでね」
「余計になのね」
「気を付けてるの、だから煙草なんてね」
「絶対にしないのね」
「今吸ったら駄目だし」
高校生つまり未成年だからだ。
「大人になってもね」
「吸うつもりないのね」
「そうするわ、そういえばヒトラーも吸わなかったし」
「あの人煙草吸わなかったの」
「大の煙草嫌いでお酒も飲まなかったから」
「あの人は」
「会議でもね」
この時もというのだ。
「何でも当時のあっち、欧州の会議はワインと煙草がね」
「あったの」
「当時のドイツがモデルの国が主役のアニメ観てたら」
「会議でなの」
「そう、軍隊の偉い人達のね」
軍議のことである。
「それ観ていたら」
「ワインと煙草あったの」
「当時は大人の男の人ってね」
「大抵煙草吸ってたわね」
クラスメイトも言った。
「そうだったわね」
「それでワインがお水みたいにボトルでね」
「置いてあったの」
「席に一つ一つね」
「あったの」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「飲んでたのよ」
「そうだったの」
「そこでヒトラーはお酒も煙草も口にしなかったから」
だからだというのだ。
「相当に目立った筈よ」
「それは意外ね」
クラスメイトは咲のヒトラーの話に驚いて言った。
「ヒトラーってそんな人だったの」
「ええ、これがね」
「会議があっても自分だけはなのね」
「ワインも煙草も口にしなかったのよ」
「一人だけそうだと目立つわね」
「紅茶派だったから」
「ドイツ人はコーヒーでしょ」
「そこも違って」
ヒトラーという人物はというのだ。
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