春のお散歩
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第三章
「実際に公園でね」
「撮るとか」
「この通りよ」
「絵になったんだな」
「そうなのよ」
こう夫に言うのだった。
「だからね」
「撮ってよかったな」
「それでこの画像保存して」
そしてと言うのだった。
「パソコンの背景にもね」
「するんだな」
「折角だから」
いい画像だからだというのだ。
「それでね」
「背景にもするか」
「そうもするわ」
「そうか、それじゃあな」
「早速ね」
まさにというのだ。
「保存して」
「パソコンに送るか」
「それで壁紙にするわ」
笑顔で言ってだった。
百合子は実際にそうした、そしてその後で夫に対して非常に明るい笑顔でこんなことを言ったのだった。
「やっぱりふわりには蝶々とね」
「花が似合うんだな」
「外見がそうだし」
トイプードルのそれがというのだ。
「しかも性格的にもね」
「穏やかでのどかでな」
「優しくて人懐っこいから」
そうした性格だからだというのだ。
「本当にね」
「蝶々に花がか」
「似合うわ、春はそうした意味でもね」
「いい季節だな」
「ふわりにとってもね、ふわり自身も」
今はケージの中で気持ちよさそうに丸くなって寝ている彼女も見て話した。
「春が好きみたいだしね」
「冬は冬で好きでな」
この辺りは寒さに強い犬だからだ。
「それで春もな」
「ええ、それでね」
「毎日の散歩もか」
「楽しんでいてね」
「蝶々や花も見てか」
「ええ、尻尾とても振ってたし」
喜んでいるというのだ。
「そうよ、じゃあ明日もね」
「散歩行って来るな」
「そうしてくるわ」
夫に笑顔で話した、そして翌朝もふわりを散歩に連れて行った、するとこの時も蝶々や花を見て喜んだのだった。
春のお散歩 完
2023・3・24
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