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ハッピークローバー

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第六十九話 かき氷の美味しさその十一

「物凄く歪になった」
「そんな国ですね」
「主体思想なんてあるしね」 
 北朝鮮にはというのだ。
「あの国の教育なんてね」
「カルトの中の教育ですね」
「そら恐ろしいものよ」
「そんな教育理想とか」
「怖過ぎるでしょ」
「日教組って本当にとんでもない組織ですね」
「そこにいる先生達もね、日の丸反対なら」
 これもそうした教師達の主張であった。
「どの旗か」
「ソ連か北朝鮮か」
「そうした国の旗かも知れないわよ」
「ぞっとしますね」 
 理虹は暗い顔になって述べた。
「本当に」
「そうでしょ、だからね」 
 それでというのだ。
「この学校じゃ除外されてるし」
「そうした先生もですね」
「だから私よかったわ」 
 心からこう言った。
「本当にね」
「日教組のない学校で」
「そうじゃなかったら若しもだけれど」
「部活もですか」
「してなかったわよ」
 理虹に笑って話した。
「そうした先生と会わないだけでも幸せよ」
「変な人や組織とですか」
「それで暴力とか振るわれないならね」
「それで、ですか」
「幸せよ」
「当たり前ですけれどね」
「その当たり前のことがね」
 先輩は理虹に言った、ここでまたサウナを出て水風呂に入った。もう酒はかなり抜けていて頭痛の身体のだるさもなくなっている。
「あってこそよ」
「幸せですか」
「今だって幸せでしょ」
「今もですか」
「二日酔い抜けてきたでしょ」
 理虹に笑って話した。
「そうなってるでしょ」
「サウナと水風呂のコンボで」 
 理虹もそうだと答えた。
「そうなってます」
「それで幸せに思ってるでしょ」
「二日酔いでなくなって」
「こういうことよ、つまりはね」
「ちょっとしたこと、当たり前のことがですね」
「あったらね」
 それならと言うのだった。
「幸せなのよ」
「そうしたものですか」
「私が思うにね」 
「幸せは当たり前のことがある」
「暴力振るわない先生がいることでもね」
「それだけで幸せですか」
「どんなに怒ってもビンタ一発で済ます」
 そうしたというのだ。
「今だとそれでも問題よね」
「ビンタも体罰ですからね」
「けれどそれが夢の様に思えるなら」 
 そこまで暴力を受ける環境下にいるならというのだ。 
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