X ーthe another storyー
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第九話 風使その二
「大事でとても強いですよ」
「護ろうという気持ちが」
「はい、蒼軌さんならです」
「護れますか」
「絶対に。優しいですから」
「優しさは力ですか」
「よく言われますよね」
こう言うのだった。
「確かに優しさだけでは駄目ですが」
「優しさがないとですね」
「どうにもならないですよね」
「そうですか、では」
「はい、蒼軌さんならです」
まさにというのだ。
「絶対に護れます」
「では護れる様にします」
「そうして下さい」
こうした話をだ、征一狼は編集部で話した。その話を天の龍のことは隠して自宅で妻に話すとだった。
綺麗な優しい顔立ちの妻は笑顔で応えた。
「私もそう思うわ」
「そうですか」
「ええ、貴方はとても優しい人だから」
それ故にというのだ。
「きっとね」
「護れますか」
「ええ、この娘もね」
一緒にいる娘も見て話した。
「私もで」
「お友達もですか」
「ええ、そう思うわ」
「奥さんもそう言ってくれるなら」
征一狼はそれならと応えた。
「そうなる様にです」
「頑張るのね」
「編集部でもそうお話しましたが」
「あらためてなのね」
「今もです」
自宅でもというのだ。
「約束します」
「ええ、お願いね」
「必ず」
こう言うのだった、また玳透と修行中にも話したが彼も言った。
「はい、征一狼さんの優しさなら」
「玳透君もそう言いますか」
「僕にもいつも優しくて修行中でも」
今の時もというのだ。
「絶対に怒ったり怒鳴ったりされないですね」
「僕はそんな柄ではないですから」
「世の中いるじゃないですか、部活でも」
「暴力を振るう先生がですか」
「もうその暴力は」
それこそというのだ。
「あまりにも酷くて」
「それで、ですか」
「犯罪の域にまで達していますから」
「それは絶対に駄目です」
征一狼は悲しい顔になって話した。
「暴力は否定すべきものです」
「そうですよね」
「どんな状況でもです」
「暴力を振るっては駄目ですね」
「はい、僕は誰にもです」
「暴力は振るわれないですね」
「風の力を使っても」
自身が操るそれをというのだ。
「それでもです」
「暴力は、ですね」
「振るいません」
「ですから」
そうした考えだからだというのだ。
「修行中でもです」
「僕にいつも優しくお話してくれて教えてくれますね」
「だからですか」
「その征一狼さんなら」
「優しさで、ですか」
「護れます、安心して下さい」
「家族も皆さんもですね」
まさにというのだ。
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