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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその四十一

「その五日がだ」
「間もなくですね」
「終わるが」
「それまでの間に」
「我々はな」
 何としてもというのだ。
「あの防衛ラインを突破してだ」
「敵戦力もですね」
 ハシルメルもモニターに出て来て言ってきた。
「叩くのですね」
「叩けるだけな」
「そうしてですね」
「敵の戦力を減らしていくぞ」
「今後の戦局の為にも」
「そうしていく、ではな」
 これよりとだ、アッディーンはまた言った。
「あの艦の艦隊をな」
「各艦隊のですね」
「そうだ、動かしてだ」
 そしてというのだ。
「敵の防衛ラインの内部に潜入してだ」
「そのうえで」
「敵艦隊も設備もな」
 そういったものをというのだ。
「攻撃していく」
「了解しました」
 軍司令官全員が応えた、そしてだった。
 オムダーマン軍は動いた、だが。
 ティムール軍は気付かずある艦隊司令は周りの幕僚達に対して神経質そうな表情でこんなことを言った。
「動かないな」
「はい、オムダーマン軍は」
「攻撃に出ないですね」
「前の時と同じく」
「国境の時と」
「そうだな、しかし」
 司令はさらに言った。
「前の戦闘ではだ」
「突如として、でしたね」
「オムダーマン軍の魚雷が来て」
「我が軍は散々にやられました」
「その魚雷攻撃で」
「あれは何だ」
 あの時の魚雷攻撃はというのだ。
「一体」
「わからないですね」
「今も全く」
「あの攻撃がどういった兵器によるものか」
 それがというのだ。
「まだな」
「オムダーマン軍の兵器です」
「そのことはわかります」
「ですがそれでもです」
「他のことはわかりません」
「それも一切」
「謎であることはだ」
 まさにとだ、艦長は話した。
「それだけで厄介だ」
「こと戦争においては」
「とりわけそうですね」
「敵のことで謎があると」
「それだけで脅威ですね」
「そうだ、国境での戦いでは散々に攻撃を受け」 
 オムダーマン軍のその謎の攻撃によってとだ、艦長はまた話した。
「そしてだったな」
「我々も攻撃を受け」
「命からがら撤退しました」
「そうした状況でした」
「若しまたあの攻撃を受けると」
「今度はどうなるか」
「わかったものではない、戦死すれば天国に行けるが」
 ジハードだからである、サハラでは戦争は全てジハードであるとして死んだ者は確実に天国に行けるとされているのだ。 
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