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八条学園騒動記

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第六百八十九話 作って食べるとその三

「本当にね」
「成程ね」
「それでね」
 さらに言うのだった。
「我が国はというと」
「オーストラリアは」
「寒い場所も少なし」
「意識してカロリー摂ってないわね」
「そうだよ、必要がないからね」
 だからだというのだ。
「そうしているよ」
「そうよね」
「羊を大きく切って」
 その肉をというのだ。
「そうしてね」
「塩胡椒で味付けして」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「一気に焼くかね」
「煮るわね」
「そうして食べるのが」
「基本よね」
「オーストラリアのね」
「僕達の国のお料理だよ」
「鯨や熊だって」
 こうした生きものの肉もというのだ。
「そうしてるわね」
「そうだね」
「ええ」
 兄のその言葉に応えた。
「そうよ」
「だから」
「カナダ風の味付けは」
「抵抗あるかもね」
「カロリーが高そうだし」
「そのこともあってね」
 それ故にというのだ。
「どうも。けれど」
「作ってみる?」
「そうして食べましょう」
 こう兄に話した、そしてだった。
 五人全員でそのカナダのサンドイッチを作ってみた、サンドイッチであるので作ること自体はすぐに出来た。
 だが食べる時にだ。
 トブはオーストラリア産の紫ワインを出してから言った。
「ワインはこれでいいかな」
「いいでしょ」 
 ルーシーはケイトに何でもないという顔で応えた。
「別に」
「私もそう思うわ、というかね」
 ケイトも言ってきた。
「そのワインで問題あるの?」
「いや、カナダ料理だから」 
 トブは二人の姉に答えた。
「だからね」
「オーストラリアのワインだとなの」
「合わないんじゃないかっていうのね」
「どうかな」 
 こう姉達に問うた。
「そこは」
「別に問題ないわよ」
 ルーシーはあっさりとした口調で答えた。
「別にね」
「いいんだ」
「だって今回の食材ね」
 ルーシーは表情もあっさりしていた、それで言うのだった。
「鯨はアメリカ産で」
「それでなんだ」
「熊はベトナム産でムースもよ」
「別々だね」
「パンは中国のよ」
 この国のものだというのだ。
「スモークサーモンは日本のだし」
「ばらばらだね」
「サラダだってね」
 サンドイッチと一緒に作ったそれもというのだ。 
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