| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十八話 合宿を過ごしてその二

「そうしたボールだよ」
「それが魔球ですか」
「そう、それでその魔球を投げてね」
 そうしてというのだ。
「相手バッターを打ち取るんだ」
「それが野球漫画ですか」
「その魔球漫画の一つで」
「それがくりくり投手ですか」
「もう牛若丸とか弁慶みたいなキャラも出て」
 そうしてというのだ。
「かなり破天荒なね」
「そうした漫画ですか」
「それがまた読んでみると面白いんだ」
 こう咲に話した。
「荒唐無稽でね」
「それでサイトにですか」
「紹介したいんだ」
「そうですか」
「いや、本当にね」
 次期部長はさらに話した。
「昔の漫画もだよ」
「面白いですか」
「そうなんだ」
 こう言うのだった。96
「これがね」
「昔の漫画も読んできましたが」 
 咲は次期部長の楽しそうな話を聞いて思った。
「ですが魔球漫画とか」
「小山さんは知らなかったかな」
「そうでした」
 実際にと答えた。
「そんな漫画もあったんですね」
「昔はね、今も荒唐無稽な漫画はあるけれど」
「昔もですか」
「むしろ昭和三十年代なんて」 
 この頃はというと。
「どうもそうした漫画がね」
「多かったんですか」
「忍術なんて妖術で」
 そうしたものでというのだ。
「変身したりお空を雲で飛んだり」
「無茶苦茶ですね」
「何でもありだったんだ」
「そんな風でしたか」
「蝦蟇に変身したり大蛇を笛で操ったりもあったし」
 そうしたこともしたというのだ。
「猿飛佐助とか児雷也とか」
「児雷也は映画でしたっけ」
「歌舞伎でもあるよ、天竺徳兵衛もね」
 歌舞伎の登場人物もというのだ。
「そうだよ、猿飛佐助は漫画であって」
「そんな風だったんですね」
「杉下忠さんって人が描いてて」
「何か野球選手と被るお名前ですね」
「僕もそう思うよ」 
 次期部長としてもだった。
「南海の杉浦さんと」
「あのアンダースローの」
「若しくは中日の杉下さんだよ」
「元祖フォークボールでしたね」
「お二人とね」
 その彼等と、というのだ。
「間違えそうなお名前の人がね」
「描かれてたんですね」
「こっちも面白いんだ」
 漫画の猿飛佐助もというのだ。
「読んでみたらね」
「荒唐無稽ですか」
「それでね、それと東映が猿飛佐助アニメにしてるけれど」
「そっちも忍術はですか」
「もう妖術で」 
 そう言っていい類でというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧