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八条学園騒動記

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第六百八十八話 オーストラリア人としてその六

「凄いけれど」
「鮪をああして加工するのは」
「それだけでも凄いのに」
 それに止まらずというのだ。
「さらによ」
「サンドイッチにして」
「ツナサンドにするなんて」
 これはというのだ。
「もうね」
「魔改造っていうんだね」
「日本人は何でもね」
「お料理に限らず」
「あらゆるものを魔改造して」 
 そうしてというのだ。
「それでね」
「凄いものを生み出すのが」
「それがね」
 兄に対して話した。
「恐ろしいわ」
「まあそういう国だね」
 ベンも否定しなかった。
「僕達が今いる国でもあるけれど」
「不可思議な国よね」
「それでいて隙も多いしね」
「絶対的かっていうと違うわね」
「絶対の存在なんてないから」
 ベンは言い切った。
「どんなエースでもずっと最高でいられるか」
「無理よね」
「ずっと投げ続けられないしね」
 このことも無理だというのだ。
「ペナントずっと投げるとか」
「全試合よね」
「こんなの先発どころかワンポイントでしても」
 一人打ち取る投球でもというのだ。
「ちょっと以上にね」
「無理よね」
「だからね」 
「絶対の存在もないのね」
「ベーブ=ルースもずっと打ってないよ」
 野球の神様と言われた彼もというのだ。
「あの人だって」
「やっぱり衰えたよね」
 トブも話に入って述べた。
「あの人も」
「現役晩年はね」
「そうだよね」
「若死にだしね」
「五十三歳だったね」
「当時でもね」
「若死にだったんだ」
「癌になって」
 喉頭癌であった。
「それでだよ」
「五十三歳でなんだ」
「亡くなったんだ」
「残念だね」
「引退して」
 そうしてというのだ。
「一度コーチをやったけれど」
「それ以外はなんだ」
「悠々自適に暮らしていたけれど」
「癌になって」
「うん、当時でも長生きとは言えなかったよ」
 そうだったというのだ。
「五十三歳だとね」
「残念だね」
「うん、長生きして欲しかったね」
「偉大な選手だったからね」
 トブは事実残念そうに述べた。
「それならだよ」
「長生きして」
「大往生して欲しかったよ」
「そうだね、ただね」
「ただ?」
「一緒に活躍したルー=ゲーリックはね」
 ベーブ=ルースと共にニューヨークヤンキースで活躍した、ルースが三番であり彼が四番であった。 
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