星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその十六
「本当に」
「そうですか、旅行好きにとってはですね」
「あそこは憧れの場所だよ」
連合自体がというのだ。
「サハラは好きでもな」
「観光で、ですね」
「行きたいぜ」
「平和になってお金と時間が出来たら」
「その時はな、あとメッカだな」
「ああ、あそこは」
「絶対にな」
それこそという言葉だった、今度は。
「行きたいじゃなくてな」
「絶対にですよね」
「ムスリムだとな」
それならというのだった、先輩にしても。
「一生に一度はな」
「メッカに巡礼ですね」
「それをしないと駄目だからな」
「さもないとですね」
「ああ、ムスリムとしてな」
「どうかとなりますね」
「目標だけれどな」
実はイスラムにおいてメッカ巡礼は絶対ではない、代理の者に頼むことも出来るし巡礼せずに死んだ者も実は多い。
だがそれでもとだ、先輩は新入りに話した。
「やっぱりな」
「行けたらですよね」
「いいからな」
「そうですよね」
「だからな」
「先輩も俺も」
「行きたいしお前もな」
先輩は新入りに話した。
「いいな」
「何時かはですね」
「メッカに巡礼しろよ」
「そうさせてもらいます」
「是非な、それとな」
「それと?」
「勿論メッカ以外にもな」
先輩公務員はここでまた自分の趣味を話に出した。
「行きたいな」
「旅行にですね」
「サハラが統一されて平和になったら」
「本当にサハラ中旅行出来ますね」
「あくまで治安のいい場所だけだけれどな」
海賊が出たりする場所には行くことが出来ないというのだ、サハラは連合よりも海賊が多く討伐戦は多い。
「それでも徐々にな」
「サハラは平和になっていきますね」
「間違いなくな」
「そうですよね」
「統一されたら海賊討伐もな」
こちらのこともというのだ。
「アッディーン大統領が力を入れてくれるだろ」
「あの方は今でもですし」
「これで軍隊が戦争に向かわなくなればな」
「もう海賊討伐にいきますね」
「軍隊がな、だからな」
「それで、ですね」
「もうな」
それこそというのだ。
「サハラの治安はかなりよくなるぞ」
「星でもですね」
「賊が討伐されて警察もどんどん強くなってな」
そちらにも今以上に力を入れられてというのだ。
「治安はよくなるさ」
「絶対にそうなりますね」
「だからな」
「先輩も」
「旅行行くな」
今度は笑顔で言った。
「是非な、あとな」
「あと?」
「実は今度姉貴に二人目が出来るんだよ」
「あっ、そうなんですか」
「その子に贈りものしないといけないな」
「弾まれますか」
「今度は女の子らしいからな、最初は男の子で」
先輩公務員は明るい笑顔で話した。
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