星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその十二
「それだけでな」
「そして俺達は好きな場所に攻めていますね」
「だったらな」
それならというのだ。
「幸せだろ」
「実際そう思ってます」
「バグダートに行きたいか?」
「仕事を辞めてでも」
「あっちで仕事を見付けてな」
そしてというのだ。
「そうして生きていくか」
「それは」
「嫌だろ」
「今の仕事も気に入っていますし」
自分達が今しているその仕事もというのだ。
「いい仕事ですよ」
「定時に帰れるしな」
「いつもそうですし」
「給料もいいしな」
「はい、何かといい職場です」
勿論福利厚生も充実している、オムダーマンでも公務員はそうしたことがしっかりと考慮されているのだ。
「ここは」
「辞めたくないだろ」
「ずっといたいですよ」
定年までというのだ。
「やがて結婚して」
「ここでな」
「そうも考えていますし」
それでというのだ。
「ここを離れるつもりないです」
「そうだな」
「それならですね」
「ここで暮らせ」
是非にという言葉だった。
「今は」
「わかりました」
「俺もバグダート行くとかな」
先輩は自分の考えも話した、話しつつ手元にあったコーヒーを飲む。そうして目を覚ましてそのうえでさらに話した。
「あまりな」
「考えてないですか」
「このアスランに馴染んでるからな」
「それならですよね」
「バグダートに行くことはあってもな」
それでもというのだ。
「それは旅行だよ」
「それだけですか」
「俺趣味は旅行だろ」
「そういえばちょっとした休暇があると」
「いつも出てるな」
「そうですよね」
「それが好きだからな」
それ故にというのだ。
「旅行はするさ」
「バグダートにも」
「それは考えているさ、けれどな」
それでもというのだ。
「住むところはあくまでここだよ」
「アスランですね」
「離れるつもりはないさ」
全く、という言葉だった。
「本当にな」
「そうですか」
「ああ、ただ旅行は考えてるさ」
それはというのだ。
「かなり真剣にな」
「お考えですか」
「ああ、しかしな」
「あくまで旅行で」
「そこから先はな」
どうしてもというのだ。
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