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イベリス

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第八十七話 純文学は娯楽かその四

「私もそうね」
「思うのね」
「だってペンネームだから」
 三島由紀夫というそれはというのだ。
「それで滅茶苦茶恰好いいから」
「美の世界に生きている作家さんね」
「それで武芸にも励んで」
「人格者でもあって」
「チートだからね」
「教養もあってね」
「そんな人だから」
 だからだというのだ。
「演じてるかっていうと」
「そうなるのね」
「そう思うわ、私も」 
 こう友人に話した。
「どうもね」
「それで私の言葉にも頷いたのね」
「ええ」
 その通りと答えた。
「私もね」
「そうなのね」
「平岡公威って人が」
「三島由紀夫という理想像を生み出して」
「障害それをね」
「演じてなのね」
「凄い作品を一杯書いて」
 そうしてというのだ。
「教養も磨いて」
「武芸に励んで」
「人格者でもあってね」
 そうしてというのだ。
「映画とかにも出て自衛隊について発言して」
「そして最後はなのね」
「自衛隊の決起を促してね」
 盾の会という組織を設立してというのだ。
「最後は自殺した」
「切腹して」
「この時辞世の句も残してるし」
「全部演じて」
「それで人生を終えたじゃないかしら」
「それもドラマね」
「そうよね、兎に角ね」
 咲はさらに話した。
「三島由紀夫についてはね」
「咲っちはそう思うのね」
「それでね」
 同級生にさらに話した。
「読んでいてね」
「いいのね」
「ええ、しかし純文学って言っても」
「楽しめるのね」
「ラノベも楽しめてね」
 そうしてというのだ。
「漫画もで」
「純文学でもなのね」
「結局何でも楽しめるでしょ、というかね」
「というか?」
「何でも楽しむ為にあるでしょ」
 こう言うのだった。
「ラノベでも純文学でも」
「娯楽ってことね」
「漫画もね、絵とか彫刻もで」
「音楽もっていうのね」
「あんたのしてるね、軽音楽もクラシックもね」
 どれもというのだ。
「楽しむものでしょ」
「モーツァルトなんかも」
「モーツァルトなんか変人だったじゃない」 
 彼自身はというのだ。
「突拍子もないね」
「正直かなり付き合いにくいというかね」
「変な人だったでしょ」
「下品な冗談好きだったらしいしね」
 手紙にもそれは出ている。
「長嶋さんタイプよね」
「長嶋茂雄さんね」
「あの人も変なエピソード多いけれど」
 そうした話に枚挙に暇がないことでも有名である、中には聞いた瞬間に実話かと疑う様なものすらある。 
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