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ドリトル先生とタキタロウ

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第十一幕その三

「諸説出てその中にね」
「荒唐無稽な説も出るね」
「宇宙生物とかもあるしね」
「オーストラリアに出た謎の死体もそんな説あったし」
「タキタロウにもあるんだ」
「そうなんだ」
 先生は皆にお話しました。
「古代魚だってね」
「シーラカンスみたいな」
「日本には確かにカブトガニがいるけれど」
「瀬戸内海に」
「虫だとムカシトンボもいるし」
「あるにはあるね」
「ニホンオオカミも実は原始的な種類だしね」
 イヌ科の中でというのです。
「日本にもそうした生きものがいるけれど」
「タキタロウも?」
「まだ見付かっていない古代魚?」
「そうだっていうんだ」
「そんな説もあるの」
「そうなんだ、けれどね」
 それがというのです。
「僕はこれは流石にね」
「可能性は低い」
「そう言うのね」
「先生としては」
「そうだよ、これはないよ」
 こう言うのでした。
「可能性は殆どないよ」
「じゃあイワナかマスか」
「さっき出たアメマス系のニッコウイワナ?」
「オショロコマに近いアメマス?」
「どっちか?」
「そうだね、ただね」
 ここで先生は皆にお話しました。
「アメマスもニッコウイワナも生物学的にはイワナ属だよ」
「あっ、近いんだ」
「そうなの」
「そうなんだ」
「イワナもマスも」
「どっちかを亜種に区分することも出来るしね」
 それもというのです。
「そもそもオショロコマはイワナ属広義で言うイワナだしね」
「あれっ、じゃあね」
「タキタロウってイワナ?」
「そっちになるの?」
「そうなるの?」
「検証してみたら」
 皆先生のお話に考えました、そして。
 ここで、です。オシツオサレツが言いました。
「剥製もそうだよね」
「あれイワナじゃない?」
 二つの頭でお話します。
「大型のね」
「それに見えるよね」
「イワナここでよく見るけれど」
「タキタロウの剥製そっくりね」
 チープサイドの家族もお話します。
「そうだよね」
「外見が」
「鱗や鰭もそうね」
 ポリネシアはそうした場所を見て指摘しました。
「あの剥製イワナそっくりだったわ」
「全体的なシルエットもじゃない?」
 チーチーはこのことを指摘しました。
「あの剥製イワナそのままだよ」
「鰭は尾びれも背びれも前ひれもで」
 ホワイティは全ての鰭のお話をしました。
「イワナそのままだよ」
「似ているとかそっくりじゃないわ」
 ガブガブも言いました。
「そのままよ」
「マスとイワナが近い種類なら」
 トートーは首を傾げさせながら言いました。 
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