八条学園騒動記
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第六百八十七話 カナディアンサンドイッチその六
「これがね」
「鯨も頭にいいよね」
トムも言ってきた。
「そうだよね」
「いや、哺乳類だから」
メアリーはトムの今の言葉にどうかという顔で返した。
「ちょっとね」
「わからないんだ」
「漢字じゃお魚扱いだけれど」
「魚へんだからね」
「けれど生きものとしては」
「魚類にならないね」
「哺乳類よ」
紛れもなくというのだ。
「間違いなくね」
「そうだね」
「実際同じ体調の鯨とお魚じゃね」
「違うんだ」
「体重が違うし」
鯨の方が圧倒的に重いのだ。
「それでね」
「強さもなんだ」
「違うのよ、シャチと鮫戦ったら鮫が食べられて」
そうなってというのだ。
「終わったそうよ」
「圧勝だったんだ」
「ええ、哺乳類の方がかなりね」
「強いんだ」
「けれどお魚には食べると頭がよくなる成分が入ってるけれど」
このことは二十世紀の終わりから言われている。
「哺乳類はこれといってね」
「ないんだ」
「聞かないわね」
そうした話はというのだ。
「だから鯨はね」
「そうは言えないんだ」
「ええ、私としてはね」
どうにもという返事だった。
「そうよ」
「そうなんだ」
「まあ頭に悪いかっていうと」
「違うね」
「それはないわ」
こうトムに話した。
「まずね」
「そうなんだ」
「ええ、頭に悪い食べものって」
それはというと。
「飲みものだけれどお酒ね」
「それだけ」
「もうお酒はね」
それこそというのだ。
「酔ってアル中になると」
「確実にだね」
「そう。頭にもね」
「くるからね」
「だからよ」
それでというのだ。
「お酒はね」
「それは事実だね」
「お酒は多少ならいいけれど」
「いつも飲んでるとね」
「確実に頭に悪いわ」
「そうだよね」
「だから飲み過ぎるなってね」
この時代でもというのだ。
「言われてるのよ」
「そうだよね」
「実際お酒を飲み過ぎて」
そうしてというのだ。
「身体を壊して頭にもね」
「きた人いるね」
「結構ね」
「そうだよね」
「もう飲み過ぎて」
シッドも言った。
「廃人になった人ってね」
「いるでしょ」
「それこそ朝から晩までずっと飲んで」
「それも毎日ね」
「そうした生活を送って」
そうしてというのだ、酒浸りというがこうした生活を送る様になると心身共に即座に危うい状況に陥ってしまう。
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