ハッピークローバー
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第六十六話 泳ぎながらその二
「それもかなりね」
「肺活量がいるね」
「だからね」
まさにその為にというのだ。
「吹奏楽部は文科系だけれど」
「運動もするんだね」
「本当に体力がないと」
さもないと、というのだ。
「全くね」
「出来ないのね」
「だからね」
それでというのだ。
「皆部活で運動してるから」
「身体引き締まってるのね」
「そうよ」
「そういうことだね、そういえば吹奏楽の娘部活で走ってるね」
「そうでしょ」
「サーキットだってしてね」
富美子の言う通りにというのだ。
「それで雨の時だってね」
「室内でやってるでしょ」
「筋トレとかね」
「うちの学園トレーニングルームもあるから」
それもかなり充実したものがだ。
「雨でもね」
「そこで身体動かすのね」
「それか室内グラウンドでね」
八条学園にはこうした施設もあるのだ。
「走るのよ」
「そうしてるんだね」
「だからね」
「身体引き締まってるんだね」
「ええ、私にとってはダイエットにもなってね」
富美子はにかっと笑って話した。
「丁度いいわ」
「そうそう、あたしもよく食ってるからね」
「部活でなのね」
「よく身体動かしてるよ」
「そうなのね」
「ああ、寮のご飯も美味いしね」
こうも言うのだった。
「この学園の寮のご飯は美味いよ」
「へえ、そうなの」
「そう思うよ、あたしは」
「それは初耳ね、自宅生だと」
そうならというのだった。
「こうしたことはだね」
「聞かないからね」
「そうだね、けれどね」
「うちの学校の寮のご飯美味しいの」
「量も多いし色々な種類が出てね」
薊は笑って話した。
「お昼のお弁当も作ってくれるんだよ」
「それはいいわね」
「そうだろ、快適な場所だしね」
食事以外もというのだ。
「だからね」
「暮らしていていいの」
「いいよ、だからね」
それでとだ、薊はさらに話した。
「寮で暮らす機会があったら」
「入って暮らせばいいの」
「そうだよ、あたしはもう卒業までね」
高校のというのだ。
「寮暮らしだよ、ただ横浜には家があるから」
「実家?」
「ああ、親いなくてね。孤児院で育ったんだけれど」
「そうだったの」
「拳法の道場のじっちゃんが保護者で」
そうした立場になっていてというのだ。
「高校に入るまで世話にもなってたしね」
「そちらに帰れるの」
「そうさ、横浜いいところだよ」
薊は笑ってこうも言った。
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