おっちょこちょいのかよちゃん
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263 本部境界の激突
前書き
《前回》
赤軍と交戦するかよ子だったが、一時は追い詰める者の、飛行機から出された音波による妨害で動く事ができず、取り逃がしてしまった。その頃、本部ではフローレンスが監禁中の赤軍の西川と東アジア反日武装戦線の佐々木と面会し、二人の解放と引き換えに平和主義の世界の領土全てから戦争主義の世界の人間が撤退する事を要求するとレーニンおよび房子に連絡させる。房子は口では応じたものの、フローレンスは要求に応じないと読み、本部守備班に本部守備班に守備の警戒を強めるよう呼びかける。そしてその本部守備班であるさりの元にトロツキーが襲来する!!
レーニンの右腕の一人・スターリンはレーニンの元へと向かっていた。
「レーニン様!」
「スターリンか。一体何の用だ?」
「何故に私ではなくトロツキーに護符と長山治の回収をやらせるのですか!?私が行きたかったのに!」
「やれやれ、生前の対立を引きずっているのか。ここは貴様も理解して貰いたいものだがな」
「お前にもいい仕事があるぜ」
姿が杉山に変化した。
「あの少年か。何の用だ?」
「杯を持ってた女を取り返そうとしている連中がいる筈だぜ。確か護符の所有者の姉貴も混じっていた。そいつの友達も一緒に行動しているからそいつらをやっつけてからだな。トロツキーが失敗したらお前が行けばいいさ」
「くっ・・・」
スターリンはレーニンに身を貸している少年の指図に気に食わないと思いながらも仕事の為にその場を離れた。
トロツキーは護符の所有者に秀才の少年・長山治と相対した事で一石二鳥の気分を感じていた。
「ほう、貴様が護符の所有者か。貴様の姉貴に本当にそっくりだな」
さりはトロツキーの発言からこの男は既に自分の姉と交戦済みも察した。
「そして小僧が長山治だな。貴様のその類稀なる頭脳を我が物にさせて貰う!」
トロツキーが全員抹殺すべく指を鳴らした。だが、さきこのエメラルドが光り、全員防御された。もと子が玉の能力を利用してトロツキーを弾き飛ばした。
「うごお!!」
トロツキーはすぐさま立ち上がった。
「そうか、貴様はあのレーニン様に身体を貸し与えた小僧の姉貴か。弟と同じように気の強そうな顔をしている」
「弟・・・?」
もと子は自分の弟・杉山さとしが敵に協力している事に恥じた。
「それで弟は私達を襲えって?」
もと子は聞いた。
「さあてな、貴様の事は何も言ってない。私が求めるのはその護符とこのショーネンだ!」
トロツキーはその場で武装解除の術を使用した。さりが護符の能力を行使した。トロツキーの武装解除の術が無効化された。そして長山は眼鏡を利用してトロツキーの行動を読み取った。
「君は僕とその護符を取る為に異能の能力や道具を使えなくさせようとしたんだね?悪いけど今のはさりさんの護符で防がせて貰ったよ!」
「何だと!?このアバズレめが!」
トロツキーは護符をさりの手から外そうとした。しかし、さりの武装の能力が働く。
「異能の能力とやらだな!」
トロツキーは地面を足踏みさせた。さり達はまた武装の能力で防御を試みた。しかし、今度は防げない。長山は神通力の眼鏡で確認した。さりの武装の能力がトロツキーの術で使用不可になってしまっていた。
「これで貴様らは皆異能の能力を使えん!大人しく護符と長山治を渡すのだ!!」
そしてトロツキーはある言葉を使う。
「従え、従え、従え・・・」
長山は眼鏡でトロツキーの行動を読み取った。
「この人、僕達を洗脳させる気だ!」
「何やて、この野郎!!」
尾藤はボールを素早く蹴る。トロツキーの顔面を狙った。トロツキーの顔がボールに当たる。そしてさきこのルビーが光り出した。ボールの威力が上がる。トロツキーに当たったボールは顔にくっついたまま離れない。そのまま炎を吹き出した。
「お、おおお!!」
トロツキーは顔の火傷で苦しんだ。そして武装解除の術で強引にボールを離した。
「この小僧・・・!!」
トロツキーの顔の右半分が焼け、眼鏡も壊れた。
「よし、某もやるぞ!」
「私も行きます!」
清正とテレーズも動き出す。清正が時の槍を刺し、トロツキーの動きを一時的に封じた。そしてテレーズが宝剣で完全に封じ込めようとした。
「大天使ガブリエルよ!」
大天使ガブリエルが召喚され、トロツキーを粛清させる言葉を告げる。
「外道め・・・!!」
だがガブリエルが動かなくなる。
「ど、どうしたの?」
その場に聖母マリアが現れた。
(このマリアは確か・・・!!)
長山はこのマリアに見覚えがあった。このマリアを召喚できるのは・・・。
「全く、かのトロツキーでも苦戦すると思ったぜ」
別の人間が現れた。
「あ、貴方は、赤軍の岡本公三!!」
「覚えていたか!」
そしてまた別の人間もいる。その男が何か投げた。長山は素早く何を投げたのかを察知した。
「あれは・・・!!火炎瓶だ!!」
「火炎瓶!?」
さきこはエメラルドを出して防御を高めた。そしてもと子の玉が黒く光る。火炎瓶を撥ね返し、破壊された。
「あれも赤軍か・・・?」
「岡本、トロツキーの手助けにお前が出向いた事は正解だったな」
「貴方も赤軍ね?」
「そうだ。俺は日高敏彦。ゾウリムシとワラジムシの話が好きな男だ!これでも喰らえ!」
日高はある物を出現させた。それは巨大なワラジムシだった。
「な、何なの、これ・・・!?」
さりは若干、その巨大なワラジムシに気味悪さを感じた。
「このワラジムシは貴様らの異能の能力を食い物とする!もう何もできんぞ!」
さり達はアンヌ王妃に敗れた時かそれ以上の絶望を感じるのであった。
あり達は杯の所有者を奪還する為に移動を続ける。方角は妲己が去って行ったとされる場所だった。濃藤は運命の剣を周囲に向けていた。その時、東北東の方角に向けると刀身が白く光った。
「もしかしたら向こうの方角にりえちゃんがいるかもしれないな」
濃藤はりえがいると思われる方角を探知しているところだった。
「うん、そっちの方へ向けるわ」
奏子は羽衣を絨毯のように広げて皆を乗せていたのだった。羽衣を東北東の方へと向ける。一行は谷の中に入った。その谷には大きな川が流れている。
「なんか、喉乾いたわ」
鈴音が呟く。
「それじゃああの川の水を飲んで休憩しましょうか」
ありは鈴音の意見を受け入れ、奏子は川のそばで羽衣を着陸させ、皆を下ろした。少し休憩する。
「それにしても・・・」
北勢田は見回した。
「北勢田君、どうかしたの?」
ありが質問した。
「いえ、その、奴等が来てる気がして・・・」
「そうね・・・、それじゃあ・・・」
ありは神を召喚した。アイヌラックルが召喚された。
「アイヌラックル、付近に怪しい人がいないか見回してくれるかしら?」
「了解した」
アイヌラックルはその場を離れて周囲の巡回に当たった。
(一体どこに・・・!?)
すぐして、アイヌラックルが戻って来た。
「皆の者、来ておるぞ!北の方角だ!」
「来たか!」
濃藤は剣を突き刺した。結界を発動させる。北勢田も電脳の矛で巨大人造人間を作り上げた。
「この人造人間で返り討ちにしてやるぜ!」
人造人間は北の方角へと進む。そしてレーザービームを発射させた。だがそのビームが防がれた。巨大な鋼鉄の槍がビームを防いで突入してきた。
「な、鉄の槍だと!?」
「こうなったら・・・」
悠一がテクンカネを発動させた。武装したアイヌの兵団が現れた。
「おお、我が仲間ではないか!皆の者、迎撃だ!!」
「おう!」
シャクシャインは悠一が召喚したアイヌの兵団と共に鋼鉄の槍を破壊しようと試みた。アイヌの兵団の放った矢が次々と槍を破壊していく。人造人間も必死でビームを保った。そして完全に槍が粉砕された。
「やった!」
「それにしてもあの槍を放ったのは・・・?」
ありは周囲を見回した。その時、上空から金属の巨大な塊が降ってきた。何とか濃藤が産み出した結界で防御はできたものの、それも少しして破られそうになってしまう。
「私が守ろう!」
アイヌラックルが巨大な塊を落ちないように下から押さえた。
「溝口みゆき!お主の武器でこの塊を破壊せよ!」
「うん!」
みゆきがブーメランを投げて塊を破壊する。粉々に砕け散ったが、その破片があり達を狙うように襲う。奏子が羽衣を投げて巨大化させ、皆を守った。
「貴様らか、杯の所有者の少女を取り替えさんとする輩は」
一人の男が現れた。
「誰だ!?」
悠一が尋ねた。
「私はスターリン。鋼鉄の男だ。纏めて静粛させてもらおう!」
ありはかなりの強敵と感じた。
後書き
次回は・・・
「護符を進化させる」
トロツキーのみならず、赤軍の岡本と日高まで現れて苦戦するさりや長山達。そんな時、テレーズは祖母・テレーズの声を聞く。果たしてトロツキーから護符や長山を守れるのか。そしてあり達はスターリンを追い詰めようとするのだが・・・!?
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