神々の塔
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第五話 一体ずつその四
「攻めあぐねるが」
「それでもか」
「攻撃を防ぐ術を僕等全員が使うとな」
「ましになるな」
「一回で駄目なら何度でも使う」
芥川はその目を鋭くさせて話した。
「そうしたらや」
「防御力が上がってやな」
「一回では防げんかった攻撃もな」
「防げてやな」
「凌げる様になる」
そうなるというのだ。
「そうやさかいな」
「私はもう一度唱えて」
「僕等全員でや、やるで」
「ほなな」
リーだけでなくだ。
他の者達も敵の攻撃を防ぐ術を一斉に唱えた、すると激しい朱雀の攻撃も凌げる様になった。そうしてだった。
その分攻撃がしやすくなってだった。
朱雀を攻めていった、朱雀は空にいるがその神にだ。
芥川達は自身もそれぞれの神具の乗りものに乗って空で戦っている、メルヴィルは右手に持つタスラムでだ。
朱雀を撃った、そうしつつ自分が乗っているグリフォンに言った。
「ええか、自分もこのままや」
「攻めていくことですね」
「攻めるモンは多い方がええさかいな」
「だからですね」
「これかでもそうしてきたが」
「これからもですね」
「頼むで」
こう告げるのだった。
「このままな」
「わかりました、では」
「ああ、動きは任せるからな」
それはというのだ。
「このままな」
「はい、攻めましょう」
「七人と力を合わせてな」
こう話してそうしてだった。
戦士達は朱雀に自分達が乗る神具とも力を合わせて戦っていった、そして遂に。
トウェインが投げたミョッルニルを頭に受けてだった、朱雀はその姿を煙の様に消した。そのうえで声が響いた。
「よくぞ我を倒した」
「やったんか」
「そうだ、見事だった」
声はトウェインに応えて述べた。
「いい戦いだった、褒めよう」
「そうか、勝ったか」
「ではこれからの戦もな」
「こうしてやれっていうんやな」
「そうだ、先を目指すならな」
こう言ってだった、朱雀はまた姿を出したが戦場からかなり離れた場所にそうした。そし手そこから動かない。
それを見てだ、玄武と戦っているシェリルは言った。
「倒したのにすぐに出て来たな」
「神様やから不滅なんやろ」
羅が応えた。
「やっぱりな」
「神様は死なんか」
「ああ、それでな」
「倒されてもやな」
「すぐに身体を出す、しかしな」
「倒されるとか」
「もう戦わん」
「そうした決まりやろな」
羅は青龍偃月刀を両手に持ち麒麟に乗りつつ話した。
「この塔では」
「そうなんやな」
「如何にも」
倒された他ならぬ朱雀が答えた。
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