おぢばにおかえり
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第七十二話 キャンバスライフその五十六
「新一君がされた訳でもその目で見た訳でもないでしょ」
「そうですけれどね」
「その目で見ないと」
さもないと、です。
「その人を判断するには」
「噂を信じたら駄目ですか」
「そうよ、私はお会いしてね」
特に長池先輩がです。
「凄くいい人達だって思ったから」
「そう言われるんですか」
「そうよ、というか新一君噂で人嫌うの」
「基本そうじゃないですけれどね」
「噂は信じないの」
「噂は噂ですから」
それに過ぎないというのです。
「ですから」
「それじゃあ先輩嫌わないの」
「長池さんって人はですか」
「もっと言えば高井先輩も佐野先輩もよ」
お二人もです。
「いい人達よ」
「人にプレゼントってゴミ渡してもですか」
「だからそれ噂でしょ」
「そうですけれどね」
「何で噂信じないのにあの人達には違うのよ」
「人として最低の行いだと思ったからですよ、冗談抜きで僕あの人達にゴミプレゼントしたいです」
「したらはったおすわよ」
こう言って止めました。
「その時は」
「駄目ですか」
「駄目に決まってるでしょ、若し先輩達がそうしたことされていても」
「同じことはしないことですか」
「嫌いな人と同じことするの?」
「嫌いな相手の嫌がることは徹底的にやれ」
新一君はとんでもないことを言いました。
「調べたうえで。それが僕ですから」
「その嫌いな相手に一生怨まれるわよ」
このことを注意しておきました。
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