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イベリス

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第八十五話 夕食もその十

「宮沢賢治さんは童話それに詩だけれど」
「そうしたこともなのね」
「そうよ」
 本当にというのだ。
「有名になって欲しいわ」
「世界的に」
「是非ね」
「そうなのね」
「最近日本は文学も有名になってきてるけれどね」
 世界的にというのだ。
「川端さんは三島さんだけでなくて」
「川端康成さん、三島由紀夫さんね」
「他の人達もね」
 それでもというのだ。
「有名になって欲しいの」
「それで宮沢賢治さんもよ」
 その彼もというのだ。
「そうなって欲しいけれど」
「これから次第ね」
「本当に世界的に有名になってきてるからね」
 日本文学はというのだ。
「源氏物語とかもで」
「あの美女をとっかえひっかえの」
「そう、あれ考えたらハーレムものだけれど」
「あの作品も有名になってきていて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「近現代のものもね」
「有名になってきてるから」
「どんどんね」
「それはいいことね、まあライトノベル感覚で読めばいいのね」
「純文学もね」
「気軽になのね」
「高尚に考えるのもいいけれど」
 それ以外にもというのだ。
「楽しくね」
「読むのもいいのね」
「太宰治のお伽草紙なんかも」
 この作者のこの作品もというのだ。
「ファンタジーなのよ」
「走れメロスの人ね」
「そう、あの人もね」
「ファンタジー書いてるの」
「それが結構面白いのよ」
「そうなの」
「読んで損はないわ」 
 こう話した。
「お伽草紙も」
「そうなの」
「本来の童話とは違うけれど」
 話の展開や設定がだ。
「そこはアレンジされてるの」
「太宰さんがそうしたの」
「特にかちかち山はね」
 この作品はというのだ。
「かなりね」
「アレンジされてるのね」
「そうなの」
「狸特に悪くないのよ」
 極悪非道な悪役である彼はというのだ。
「ただのださいおじさんで」
「そうなの」
「兎を好きになったけれど」 
 美少女であるという設定になっている。
「ああして散々にやられてね」
「あれ復讐じゃなくて」
「女の子が付き合いたくないから」
 そのださいおじさんとだ。
「元のお話そのままにね」
「背中に火を点けて傷口に芥子塗って」
「泥船に乗せてよ」
「溺れさせて殺すのね」
「何かこっちの狸ってね」
 太宰のお伽草紙のかちかち山のというのだ。 
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