星河の覇皇
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第八十三部第二章 撤退の果てにその三十七
「そう主張していた」
「では日本の皇室も同じでは」
「それでは」
「今も日本市民は支持しています」
「それならです」
「北朝鮮と同じでは」
「その論理で言うと」
周りはこう言って首を傾げさせた。
「そう思いますが」
「その辺りは違うのですか」
「彼等の中では」
「そうなのですか」
「そうだった、結局こうした連中は自分しかない」
自分の考えだけが正しく他の意見は間違っていてそれを否定しても弾圧しても構わないというのである。
「だからだ」
「他人が皇室を支持していても」
「自分は支持していない」
「だから駄目なのですね」
「そうなる、そして国益を否定し続けたが」
その彼等はというのだ。
「今では否定されている」
「全くですね」
「国益を求めても環境破壊や他国との軋轢を生まない」
「それもまた国益ですから」
「そうした考えではなく」
「最初から国益を否定していたのですね」
「そうだった、そして求めるこのは」
それは何かというと。
「自分だけだった」
「自分だけが正しくですね」
「自分さえよければいい」
「そうした考えだったのですね」
「彼等は」
「そうだった、国益を否定して日本を否定しても」
そして他者がどうなってもというのだ。
「それでもだ」
「自分さえよければですね」
「それでよかったのですね」
「彼等は」
「当時の日本のそうした者達は」
「まさにな」
実際にというのだ。
「そうだった」
「呆れた者達ですね」
「自国を売っても自分さえよいというなら」
「最も恥ずべき者達です」
「そう言うしかありません」
「全くだ、だから私もだ」
艦長にしてもというのだ。
「こうした連中よりもな」
「マウリアですね」
「今のマウリアの方がましですね」
「それも遥かに」
「全くだ、そうした者達は害であるだけでなく」
国家そして国家を形成する市民達にとってだ。
「軽蔑しか出来ない」
「全くですね」
「唾棄すべき輩です」
「そうした輩共こそ否定しなければなりません」
「何があろうとも」
艦橋の者達も口々に言った。
「全く以て」
「そうした者達こそ」
「何があってもです」
「そうはなってはなりません」
「まことに」
「そうした者達と比べるとだ」
それこそとだ、艦長はまた話した。
「今のマウリアはな」
「国家全体で国益を求めている」
「それはですね」
「非常に素晴らしいですね」
「実に」
「まだな、敵であるが」
それでもというのだ。
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