恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十三話 司馬尉、陣を語るのことその五
「この世界の娘達と同じ娘達が複数の世界にいる」
「そしてそこにそれぞれ于吉達が介入しようとしてるんかいな」
「彼等は次元の超越者なの」
貂蝉が于吉達をこう話す。
「そしてそれぞれね。工作を仕掛けてきてね」
「自分達の望もうとする世界を築こうとしているのよ」
「あんた等と逆の立場やな」
ロバートも焼きそばをすすりながら貂蝉と卑弥呼に言った。
「世界を害するんやったらな」
「そうよ。あたし達は次元の管理者でね」
「彼等とはずっと戦ってきてるの」
「他にもスサノオやケイサル=エフェスという存在もいるし」
「中々複雑なのよ」
「よくわからないダスがわかったことはあるダス」
テムジンはどうにも矛盾する言葉を出したのだった。
「貂蝉さんと卑弥呼さん達はそれぞれの世界を守護していて奴等はダス」
「そう、気の遠くなるだけ色々な世界に介入しようとしているの」
「無数の並行世界をね」
「壮大な話だったんだな」
「ほんまやな」
リョウもロバートもそれぞれ顔を見合わせて話す。
「俺達が最初思っていた以上にな」
「壮大な話やで」
「貴方達はこの世界と貴方達の世界の為に戦ってね」
「あたし達が全力でバックアップするから」
「ああ、頼む」
「わい等もやるさかいな」
「そうダス。絶対にやるダスよ」
三人共気合を入れて応える。そうしてだった。
彼等は出陣の中の腹ごしらえをした。彼等の戦いの前にだ。
劉備達は草原を進んでいく。草原の中は本当に何もない。
だが闇の中ではだ。司馬尉がだ。
ここでも同志達に対してだ。こんなことを言うのだった。
「では。今回はね」
「はい、何を為されますか」
「遂に決戦だが」
「決戦に相応しいものを用意するわ」
悠然と、かつ妖しい笑みで応える。そのうえでの言葉だった。
「それをね」
「あの、ですがお姉様」
「敵もです」
劉備達が何をしそうなのかをだ。司馬師と司馬昭が話す。
「妖術を破ることを念頭に置いてます」
「おそらくは私達自身に仕掛ける場合でも」
「ですから下手に妖術を使ってもです」
「破られてしまうかも」
「妖術はそうね」
司馬尉は妹達の言葉を受けてだった。
悠然としたものは崩さずにだ。こう言ったのだった。
「破られてしまうわね」
「はい、落雷の術と同じく」
「そうなるかと」
「わかっているわ」
そのことはだというのだ。そのうえでだ。
彼女はだ。妹達だけでなく他の同志達にだ。こう言ったのである。
「妖術だけではないわ」
「ではあれか」
すぐにだ。左慈が述べてきた。
「あれを使うのか」
「ええ、宝貝をね」
新たな言葉が出て来た。それはこれだった。
「それを使うわ」
「そうだな。あれは妖術ではないからな」
「思う存分使えるわ」
悠然とした笑みのままでだ。司馬尉は左慈に応えて述べていく。
「あれをね」
「何だ、その宝貝というものは」
ルガールがここでだ。司馬尉に対して問うた。
「妖術とは別のものであるのはわかるが」
「仙人が使う道具よ」
それだと話す司馬尉だった。
「それは剣だったり楽器だったり動物だったりするわ」
「様々なのだな」
「そう。その中でも私が今使うのはね」
「それは何だ?」
「陣よ」
それだというのだ。
「陣を使うわ」
「陣の宝貝もあるのか」
「そうよ。宝貝にはそうしたものもあるのよ」
「実に多彩なのだな」
話を聞いてだ。ルガールは頷く。
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